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社員リレーコラム バックナンバー2009

≪学校法人の会計≫

2009.12.16 | 社員リレーコラム №24

第24回は、資産税事業部 小林 仁による「学校法人の会計」をお届けいたします。

◆学校法人とは
例外はありますが、民間が設置する学校(私立学校)を学校法人といいます。
国、地方公共団体を除き、この学校法人だけが学校教育法に定める学校を設立することが出来ます。
ただし、幼稚園だけは学校法人を設立しなくても個人事業として認可を受けられます。(個人立幼稚園)
余談ですが、準学校法人というものもあり、専修学校・専門学校、その他では具体的に予備校等や自動車教習所などがあります。
これらは都道府県の認可を受けると学校法人になることが出来ます。
また、最近では、保育園と幼稚園が合体した「認定こども園」の設置が可能になりました。

◆学校法人じゃない学校?
学校法人でなくても学校を作ることが出来ます。
実際に学校法人と冠していない学校も数多くあります。
メリットとしては、学校教育法に縛られない自由な教育を行うことが出来る点にありますが、経歴として認めない等のデメリットも数多くあります。

◆学校法人の特徴と一般企業の違い
学校法人の最大の特徴にして最大のメリットは、「補助金が受けられること」と「ほとんどの収入が非課税であること」にあります。
学校の種類によって異なりますが、毎年交付を受けられる補助金や、建物の建替え費用の一部補助や、低金利の貸付等いろいろな種類の補助金があります。
また学校法人は、公共・公益の用に供されている実情等を考慮して基本的に税金が課税されません。(例外として収益事業には課税されます)。

よって、この補助金も非課税扱いとなります。
しかし、一般企業と異なりその運営や会計など私立学校法等による厳しい法律を順守しなければならず、その事務手続きも膨大です。
教育に関して学校教育法によることは当然ですが、補助金の使い道を明らかにした補助金実績報告書の作成や、通常よりも複雑な学校法人会計基準による経理、値上げ・値下げは当然の事ながら文部科学大臣の認可が必要になります。
また、一般企業より理事会や評議委員会などの設置・解散の場合の財産の帰属などについての要件が公共性を高めるために相当厳しくなっております。

◆一般企業と学校法人会計の違い
 一般企業の会計と学校法人会計の大きな違いは、「財産の保全」と「資金繰り」にあります。
もちろん両方とも一般企業でもとても重要な事ですが、学校法人ではさらに重要視されています。
具体的に両者の決算書の違いをみてみましょう。

◎貸借対照表
 貸借対照表とは、法人の財政状態を見る書類です。簡単な表現をすると財産と負債(借金)の一覧表です。
両法人とも作成する必要がありますが、一般企業は、現金化しやすいもの(例えば、現預金・売掛金等)から表示されますが、学校法人では、固定資産(土地・建物等)から表示され、一般企業より財産の保全を目的としていることがわかります。
たしかに一般企業と違い、業績不振だから土地を売却して引っ越すというようなことは学校法人では出来ないことだからです。

◎損益計算書
損益計算書とは、法人の損益状況を見る書類です。簡単な表現をすると儲かったかどうかを表す計算書です。
こちらは両法人とも作成しますが、学校法人では消費収支計算書といいます。
大きな違いは、一般企業では土地等の固定資産を購入しても損益には影響させませんが、学校法人は利益の減少として処理されます。

以上が、一般企業で作成しなければならない書類で、以下の書類は任意となりますが、学校法人では決算書の書類として必ず作成しなければなりません。

◎資金収支計算書
一般企業では資金繰り表と呼ばれるものです。学校法人では学校法人会計に則った会計処理を行い作成しなければなりません。このことから「資金繰り」を貸借対照表及び損益計算書と並び重要視していることがわかります。

◆学校法人の実情
昨今の学校法人を取り巻く環境は大変厳しく、少子化による生徒数減少に加え、設備拡充にともなう過剰債務などが経営の負担となっています。2001年から2007年の過去7年間で、学校法人・教育関連業者の倒産(法的整理のみ)は累計で232件発生しており、事実上、営業を行っていない・事業廃止の件数を含めるとかなりの数に上ると思われます。

(資産税事業部 小林 仁)

(次回予告:税務監査事業部 美容課 中島 理子による「心に響くおもてなし」)


≪「必ず儲かる話」は存在するのか?≫

2009.12.09 | 社員リレーコラム №23

第23回は、税務監査事業部 三木 直也による
「『必ず儲かる話』は存在するのか?」をお届けいたします。

そもそも、「必ず儲かる話」は存在するのでしょうか?
これに対する、一つ目の答えは、「そんなものは存在しない」というものです。なぜなら、そんなに儲かるなら、人に勧めずに自分自身で投資すればいいからです。

◆自分が投資せずに、人に勧めるもので、合法的なものに金融機関の投資信託や投資ファンド等があります。
この場合でも売る側(金融機関)と買う側(投資家)の立場は異なるので注意が必要です。
金融機関がつくる商品は、投資家に買いたいと思い買ってもらえば、金融機関は例え値下がりして損失を投資家が被ったとしても、納得の上で投資した結果である、という理由づけが出来るのです。

◆この問題を解決しているのが、プロの投資家向けの投資ファンドにみられる、運用者も自己資金を投入し、自己資金の不足部分を投資家から集める方式です。
つまり、「儲ける自信はあるが、その為にはお金が足りない、だからお金を出して下さい、必ず儲かります」という話です。この場合の「必ず儲かる」はどうでしょう。この場合も断言出来るものではありません。
本当にそうであれば、この話を聞いた人はみんな飛びつき、あなたには回ってきていないはずです。
話が回ってくるのは、実際には「必ず儲かる話ではない」からです。

◆競争が十分に行われている経済においては、超過利潤はただちに消滅してしまいます。
結局、投資商品を売る人・運用する人・投資する人では、立場や利害が一致しないので、「必ず儲かる」という言葉が、その通りにいかないことも十分に考えられます。

では「必ず儲かる話」は存在しないのでしょうか?
その答えは「理論的には存在します」。
ただ、「必ず儲かる話」で儲けることが難しいだけです。
例えば、競馬で2倍以上のオッズのものに、当たるまで倍々で掛け金を増やしていき、当たったらやめる「倍張り」と呼ばれるものは、理論上は儲かります。
しかし、現実には100円でスタートしても、10レースはずれた場合の必要資金額は204,700となり、「必ず儲かる」にもかかわらず、私はやっている人に出会ったことがありません。

◆この例では、儲かる金額に対する必要資金額が高すぎること、つまり実現する可能性はあるのですが、現実的には、実現しない可能性のほうが高くなってしまっているということです。
「必ず儲かる話」で儲けることが難しいのには、話は実在しますが、その話で儲けられるのはごく一部で、大部分の人が損をしてしまうという場合があります。

◆株式市場で合理的な理由もなく、株価が上昇していく場合があります。
この時の「この株は上がるから、今買っておけば、必ず儲かる」というものです。
この場合、話は実在するのですが、実際儲けられるのは上昇初期に買って、売り抜けられた人たちだけで、残りの大部分の人たちは損をしてしまいます。
この株が上昇後、もとの価格に戻るとするなら、参加者全員の儲けはとんとんになるはずです。
上昇初期には「必ず儲かる話」があり、実際儲けを手にしている人がいます。
しかし話しを聞いた全員が、儲けられるわけではありません。

◆「必ず儲かる話」は存在するが、必ず儲けられるわけではない。不思議な結論です。
やはり、人は、こつこつ地道に働いていくのが、間違いないのかもしれません。
(税務監査事業部 三木 直也)

(次回予告:資産税事業部 小林 仁による「学校法人とは」)


≪飲食店の税務1・2・3≫

2009.12.02 | 社員リレーコラム №22

第22回は、経営企画室 小曽根 法子による「飲食店の税務1.2.3」をお届けいたします。

1.従業員等の食事
昼食等に従業員に食事を提供している場合、この食事代の処理をどの様にしていますか。
お店の残り物や材料の端物でまかないのご飯を作り、みんなで食べることも多いと思います。
直接お金の支払いが出てきませんし捨てるものを食べるのだからと、帳簿に何も記録しないことがあります。
また、仕出し弁当等の支払いを、福利厚生費等に計上しておくだけでよいというわけではありません。

【給与所得として課税されないためには】
本来、食事は自分のお財布(自己の稼得した所得)の中から支払うべきものです。
会社から無償又は低い価額で食事を支給された時は、その食事代に充てる金銭の支給を受けたのと同じことになり、経済的な利益として原則給与課税の対象となります。
しかし会社が行う給食の制度は福利厚生的な側面があることから、次の2つの要件を満たすときは課税しないこととされています。
(1) 従業員等食事をした人が「食事の価額」の半額以上を負担していること
(2) 食事をした従業員等につき、会社の負担額(食事の価額-従業員等の負担額)が、月額3,500円以下であること
             [所得税法基本通達36-38]
食事の価額(1ヶ月当たり)  | 個人負担 |  会社負担 | 課税要否  | 課税される金額
Aさん   6,000円    | 2,500円| 3,500円| する    |  3,500円
Bさん   7,000円    | 3,500円| 3,500円| されない  |    -
Cさん   8,000円    | 4,000円| 4,000円| する    |  4,000円
Dさん   8,000円    | 4,500円| 3,500円| されない  |    -  

このように、各人ごとに計算するので、まかない食の提供状況を各人別に管理する必要があります。

【食事の価額とは】
自社で調理した食事はその食事の材料等直接かかった費用、購入してきて支給した食事は、その食事の購入価額となります。

【課税される金額の扱いは】
給与所得として課税される金額は、通常の給与に加算して源泉所得税等の計算を行います。

【徴収したお金はどう処理するのか】
従業員から実際に徴収した現金は、売上として計上します。

【課税の対象にならない場合】
残業等により支給する食事、社内等での会議の際に出されるお弁当の費用は、通常は給与課税されません。

前述したように食事は本来自分のお財布から出すものですし、材料は会社がお金を出して仕入れ、売上となるべきものだったのです。
会社が全額負担をしている場合は、正しい処理をすること、またはこれを機会に負担すること自体の意味を考えて見直してみるといいのではないでしょうか。

2.現金管理
税務調査では、通常、事前に税務署から調査に入る旨の連絡が会計事務所か会社にあるのですが、飲食店では「現況調査」といって突然、抜き打ちで調査に来ることが多くあります。
これは飲食店に限らず現金商売を行っている場合にいえることです。
伝票を記載しない、売上の現金を抜くなどの可能性があり事前に連絡をしてから行う調査では証拠を隠される可能性があると思われているようです。
常日頃から現金の管理をきちんと行い、できれば、金種表を使って毎日現金残を合わせるようにしましょう。
また、レジ現金、小口現金、仕入れ用現金など区分して、生活用の現金と混在する事のないようにしましょう。
現金の管理をきちんとするということは、単に税務調査対策のためだけではありません。
現金を常にチェックしていれば、大きな現金過不足がなくなります。
また、人の心には、魔が差すということもあります。「ちょっと借りるだけ」「明日返すから」という気持ちから始まりずるずるとエスカレートしていくのです。
現金をいつもチェックされていると思えば牽制がきき、そんなこともできなくなります。
犯罪者を作らない、小さな過ちのうちにわかる環境を整えるということも経営者の大事な務めだと思います。

3.収入印紙
【領収書もレシートも「金銭の受取書」】
印紙税がかかるのは領収書で、レシートにはかからないと思っている方も多いようですが、印紙税法では「売上代金にかかる金銭の受取書」に印紙税が課税されます。
領収書もレシートも金銭を受け取って発行する書面「金銭の受取書」ですので、すべて(3万円未満は非課税)印紙が必要となります。

【レシートと領収書の両方を渡してしまったら】
レシートを渡した後で領収書がほしいと言われ、レシートと領収書の両方を渡してしまうこともあると思います。同じ内容のものだから片方だけ印紙を貼ればいいと思っていませんか?
印紙税は文書に対して課税されるので、渡したときはレシートと領収書の両方共に印紙が必要になります。
先方で経費を二重に計上してしまうこともあり得ますので領収書を発行するときはレシートを破棄してもらうのがいいでしょう。
ちなみにクレジットカード払いのときの領収書には印紙税はかかりません。
なぜなら金銭を受け取っていないから「金銭の受取書」に該当しないからです。

【領収書の書き方で非課税になる。ならない。】
領収書(金銭の受取書)は、記載金額により印紙税の税率が異なります。
3万円未満で非課税になる受取書の記載金額は、取引金額等とその消費税額等を区分記載した場合には、その消費税額等は記載金額には含まれません。
例えば、30,009円(税抜28,580円+消費税額1,429円)の領収書の場合、
(1)取引金額等とその消費税額等を区分しない場合、記載金額が30,009円となり、印紙が「必要」です。
(2)しかし「税抜金額28,580円」「消費税額 1,429円」を区分している場合は、記載金額は28,580円となり、30,000円未満ですので印紙は不要です。

【印紙を貼らなかったら】
印紙税は、罰則がとても重くなっています。
税務調査で見つかった場合は、本来の印紙税の3倍の税金(過怠税)を納めなければなりません。

【消費税の取り扱い】
通常は、収入印紙は消費税では控除対象とはなりませんが、金券ショップ等で購入した場合は、課税仕入れとして控除対象となります。
(経営企画室 小曽根 法子)

(次回予告:税務監査事業部 三木 直也による「『必ず儲かる話』は存在するのか?」)


≪海外の美容室・日本の美容室≫

2009.11.25 | 社員リレーコラム №21

第21回は、税務監査事業部 平塚 忍による「海外の美容室・日本の美容室」をお届けいたします。

現在、全国にある美容室の数は約22万件あるといわれています。
コンビニエンスストアが約5万3千件、信号機が約19万基。
美容業界はこんなに市場があるのか、はたまた価格競争をして足の引っ張り合いをしているのではないか。
そこで、海外の美容室は?と思い、調べてみました。

◆          ◆          ◆

アメリカ ニューヨーク
カット料金はジュニアスタイリストでも50~70ドル、スタイリストになれば80~200ドル。
有名スタイリストになると1,000ドルを取る美容師さんもいるそうです。
さらにチップを15~20%支払うので、日本に比べると割高な印象があります。
アメリカのほとんどのスタイリストは売上に関係なくブース代(場所代)をオーナーに支払い、備品・材料は全て自分持ちの独立採算制。
シャンプーなどのヘルプをお願いするときはチップを渡し手伝ってもらうそうです。

アメリカでは、ヘアー、メイク、ネイル、エステなど美容行為を行う仕事に就く場合は、必ずライセンスが必要となります。
ライセンスは、アメリカの各州で実施する試験に合格すると取得できます。

フランス パリ
カット料金は40ユーロ(約5,500円)位~。日本とあまり変わりません。
パリの美容室はカットをするスタイリストとカラー専門のカラーリストと別のスタッフが施術をするそうです。
また、店内は2階建てなどの構造で、カラーとシャンプーは別室を使用しているところが多く、においを気にしてパーマ剤を使用するときも別室を使用するそうです。
日本にあるフランスのフランチャイズ店もこのような店内が見受けられます。

イギリス ロンドン
カット料金は40ポンド(約5,900円)位~と、こちらも日本とあまり変わりません。
しかし、イギリスは日本のように国家資格がなく、誰でも美容師になれるそうで、技術や衛生面では差があり、出張美容も盛んに行われているそうです。
また、ロンドンには有名なヴィダルサッスーンアカデミーがあり、各国から生徒が集まり短期、長期留学をしています。
この講習のカットモデルになれば、低料金でカットをしてくれるそうです。
私の担当する関与先のオーナーは、この講習中にベッカムに会ったそうです。
もちろん、カットモデルだったわけではないのですが、しっかりサインをもらい、握手もしたそうです。

中国 上海
上海では、4種類のヘアーサロン名があり、価格も違います。
1番安いのは「剃頭店(ティドゥティ)」です。カットは約5元(約65円)、パーマも約20元(約260円)と低価格です。
次に安いのは「理髪庁(リィファティン)」一般市民が多く利用しているのがここです。
カット約25元(約330円)、パーマは約80元(約1,050円)です。
「美髪院(メイファイン)」「美容院(メイヨンイン)」は日本人スタッフも多くみかけます。
カットは約120元(約1,570円)パーマ約380元(約5,000円)と高価格です。

◆          ◆          ◆

同じ国のサロンによってもカット料金に差があるので、日本の千円カットと高級サロンの違いのように仕上がりに対する満足度も違うそうですが、サービスについては“シャンプー後、髪がびちゃびちゃ” “ロッドを持たされ、客なのに助手の仕事をさせられた”など、アーティスト気質が高く、サービスは日本が高レベルだとの意見が多いようです。

10年以上前の話になりますが・・・。私の友人たちが語学留学のため、アメリカやイギリスに行っていたときのこと、現地では美容室に行かず、伸ばしっぱなしや自分でカットしていました。
貧乏だったわけではありません。彼女たちが言うには、敷居が高く気軽に入店できなかったり、高いわりに技術がなかったりして、自分で切った方がましとの意見でした。
私も何度か海外旅行へ行きましたが、日本ほど美容室はあまりなく、ショッピングモールの中にあったり、2階にひっそりあったりで目立ちもしなかったように感じます。
今、不景気だといわれていますが、海外のサロンに比べれば日本のサロンは技術もサービスも誇りに思えるものを持っているので、自信を持ってがんばっていただきたいと思います。
(税務監査事業部 美容課 平塚 忍)

(次回予告:経営企画室 小曽根 法子による「飲食店の税務1.2.3」)


≪自動車の未来について≫

2009.11.18 | 社員リレーコラム №20

第20回は、巡回監査事業部 奥澤 創による「自動車の未来について」をお届けいたします。

皆さんは仕事やプライベートで車をどのくらい利用されていますか?
車を所有していない人でも、タクシーやバス、レンタカー、最近ではカーシェアリングなど、車を使っている人は少なくないでしょう。
また、直接車に乗ることがなくても、私達の買う商品やサービスの物流過程では必ずどこかで車がかかわっているといっても過言ではないでしょう。
そう考えると高速道路の無料化や、エコカー購入の税制優遇や補助金といった政府の政策も妥当なこととも考えられます。今回はこの中からエコカーについて検証していきたいと思います。

Ⅰ.エコカーとは?
21世紀になって車に課せられた最初の課題は環境対応力でした。
そして生まれてきたのがエコカーです。ところでエコカーとは何でしょう?
国土交通省自動車交通局では『環境性能に優れた自動車に対する自動車重量税・自動車取得税の特例措置』という制度を設けて自動車重量税や自動車取得税の免税や軽減を行っています。
その対象となるのが以下の自動車です。

(1)電気自動車
(2)天然ガス自動車
(3)プラグインハイブリッド車
(4)ディーゼル車
(5)ハイブリッド自動車
(6)低燃費かつ低排出ガス認定自動車


この他に思いつくだけでも、燃料電池車や水素自動車などが考えられます。
現時点ではこのあたりがエコカーと呼ばれるのではないでしょうか。
社団法人日本自動車工業会が公表する《2008年度実績の概要》では、エコカーの販売台数は全車種合計で3,596,798台(前年比91.5%、332,249台減)とあります。
燃費基準達成(以下 低燃費)かつ平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)が全体の8割以上を占めているとの事ですが、プラグインハイブリッド車などはまだ実際に市販されているわけではなく、低燃費車以外ではハイブリッド車が売れているぐらいと考えられます。

Ⅱ.エコカー補助金
エコカーに対しては上記に述べたような優遇税制のほかに補助金の制度もあります。
経済産業省製造産業局自動車課及び国土交通省自動車交通局総務課企画室で発表している『環境対応車への買い替え・購入に対する補助制度について』では制度の趣旨として、『環境性能のよい新車の買い替え・購入を促進することにより、環境対策と景気対策を効果的に実現することを目指しています。』とあります。
制度の内容としては大きく二つに分かれ、

(1)経年車の廃車を伴う新車購入補助
(2)新車購入補助(経年車を廃車しない場合)があります。


いずれの場合も乗用車(登録車・軽自動車)と重量車に分けられており、金額もそれぞれ異なっています。
乗用車についてはテレビCMや折込広告等で各メーカーがこぞって宣伝しているのでよく耳にしますが、重量車についても補助金が出ることは意外に知られていないのではないでしょうか。
一例としては、経年車の廃車を伴う新車購入補助で車齢13年超車から新長期規制適合車へ買い換えた場合、小型40万円、中型80万円、大型180万円の補助金が受けられます。
重量車の場合は車両の金額も大きいため、補助金額も乗用車に比べて大きくなっています。

Ⅲ.今後のエコカーについて
ところで、こうした補助金や税制優遇といった支援策は有効なのでしょうか?
実際に日本や米国では政府の支援策もあり、新車販売台数も増加し最終損益が改善の方向へ向かっています。
しかし、米国などでは支援策の終了と同時に販売台数が落ち込む状況も出てきており、日本でも来春までとされている政策が延長されなかった場合、売上に対する影響は少なくないでしょう。

欧州ではさらに一歩先を行っており、すでに電気自動車に向けたインフラの整備が進んでいます。
電気自動車のレンタル制度や電気の充電スタンドを公共駐車場や住居、事務所に備える計画などです。
日本では自動車メーカーの努力によってさまざまなエコカーが開発されていますが、インフラの設備はまだまだこれからと言わざるをえません。

現在ではエコカーの主流はハイブリッド車ですが、すでにプラグインハイブリッド車の市販は近く、電気自動車が主流になっていくであろうことを考えると、充電スタンドの拡充は欠かせません。
近い将来には駐車スペースにとめるだけで自動的に充電されるパーキングができるかもしれません。
日本の支援策も個別の車両の購入に対するものよりも、インフラの整備を拡充した方が将来的には有効なのではないでしょうか。
(巡回監査事業部 奥澤 創)

(次回予告:税務監査事業部 美容課 平塚 忍による「海外の美容室と日本の美容室」)


≪企業機密の漏洩について≫

2009.11.11 | 社員リレーコラム №19

第19回は、総務課 山田 尚子による「企業機密の漏洩について」をお届けいたします。

◎「企業の機密漏洩の70%に従業員が関与」 (米調査)
機密漏洩の主な原因は「セキュリティに対する認識不足」と「企業のセキュリティ教育の不十分」という記事を目にしました。
とても恐い事です。

私が秘書業務に就いた際、一番初めに念を押された事は「守秘義務」でした。
秘書業務に限らず仕事をしていく上でのごく当たり前のマナーであり、皆様も十分に注意をされていらっしゃることでしょう。

企業機密の漏洩には、故意はもちろん、うっかりミスや危険な行為に気付いていないケースも多々あります。
不注意が原因でも、場合によっては企業の存続を脅かしかねません。

西川会計でも関与先様の最も重要な部分の情報を扱わせていただいており、関与先様の信頼を裏切る事の無い様、情報の漏洩防止につきましては、入社してすぐから研修を行い機密遵守の心得、データの管理から移動中のかばんの持ち方に至るまで徹底的に教育、所内でのチェックも厳しく行っております。

◆          ◆          ◆

《機密情報とは》
1.取引先情報…取引先の名称、状況、条件、方針
2.個人顧客情報…氏名、住所、電話番号、購買、通信履歴等
3.企業内情報…組織図、戦略、人事制度、社員名簿、マニュアル等

《情報漏洩に該当する例》
1.移動中・昼休み・就業時間外に、社外で機密情報を話題に会話をすること
●エレベータや電車の中、レストラン・居酒屋等、周囲に社外の人がいる場所での会話には十分注意してください。同僚と一緒にいるとつい話題が仕事の延長になりがちです。
2.業務上関係の無い方に機密情報を話したり、渡したりすること
●たとえ家族や友人、また退職した後であっても、持ち出したり、口外したりすることは犯罪となります。
●頭に「オフレコだけど」を付けても決してオフレコにはなりません。
3.機密情報を電子メールや紙、電子データ等で社外に持ち出すこと
●仕事が終わらなかったからと言って機密情報を勝手に自宅のパソコンへメールで送ったり、紙や電子データを社外に持ち出したりすることは大変危険です。
●「ゴミ箱に捨てる」という行為も消滅ではなく「社外への流出」となりますのでご注意ください。

《機密情報の取り扱い》
1.FAXで機密情報を送らなけらばならない場合には必ず先方と打合せの上、宛先には十分注意し、送り間違いを防ぐためには予め宛先を登録し、テスト用の文書を送り確認した後に送ると良いでしょう。原稿の置き忘れにも十分に注意しましょう。
2.社内であっても、席を離れる時には重要書類の放置、パソコン画面に注意しましょう。重要度の低いものでも目に触れぬよう伏せてから立つ習慣をつけましょう。

◆          ◆          ◆

ここでご紹介したのはほんの一部にすぎません。
ITの発達と共に便利になった反面、パソコンデータの流出やネットを介しての情報漏洩等、多様化した情報漏洩をいかに防止するかが今後の大きな課題となっております。
しかし、基本はやはり1人1人の「セキュリティに対する認識」にかかっていると言えます。
今日も一日お疲れ様でした。仕事の後のビールは格別ですね。ついつい話もはずみます。
でも、そのパーテーションの向こう側、誰もいませんか?
(総務課 秘書 山田尚子)

(次回予告:第6監査課 奥澤 創による「自動車の未来について」)


≪理美容の起源≫

2009.11.04 | 社員リレーコラム №18

第18回は、理美容事業部 加賀美 敦子による「理美容の起源」をお届けいたします。

◎日本の床屋さんの発祥について

◆床屋の発祥は鎌倉時代にまで遡ります。
亀山天皇に使えていた藤原基晴(もとはる)は宝刀を管理するのが仕事でした。
ところがある日、その大切な宝刀がなくなってしまったのです。
紛失の責任をとらされ、基晴は辞職となりました。
基晴と三男の采女之亮(うねめのすけ)は宝刀を探すために山口県の下関に下りました。
1274年のことです。

当時の下関は蒙古襲来の前線基地で武士がたくさん集まってきていたのです。
「武士の身の回りの世話をしていれば、いつかは宝刀に巡り合える」、そんな気持ちがあったのでしょうか、采女之亮は下関で髪結いをしていた新羅人から技術を学び、往来の武士を客として髪結い所を開いたのでした。

そして、そのお店の床の間には天皇と先祖を祭る祭壇があったのです。
それを見て下関の人々は「床の間のある店」と呼ぶようになり、それが転じて「床屋」というようになったのだそうです。

その後、無事に宝刀を見つけた采女之亮は鎌倉に移り住み、京都風の髪結い職人として幕府から重用され、代々その職を受け継いでいったことで床屋を広めていったのです。

◆徳川家4代将軍のころなると髪結い職人も増え続け、「江戸の一町に一ヵ所」と初めての規制となり現代の保健所の基となったようです。

江戸時代の男性はおしゃれで、「髪を切る、結う、ひげを剃ったりする」他に、眉を整え耳掃除までしていたらしく、床屋が社交場となっていました。
この頃から、床屋さんは修行年月のかかる最高の技術職になったのです。

◆一方、美容室の基もその頃始まります。
店を持つものは床屋で、女性髪結は女性の髪を優雅に仕上げるという評判で、遊郭や顧客の家を訪問していたというのが女性の職業の始まりであり、美容業の始まりともいえます。

◎サインポールはなぜ「赤」「青」「白」

◆12世紀のヨーロッパでは理容師が外科医を兼ねていました。
そのため、赤は動脈、青は静脈、白は包帯というのがよく聞く話です。
ところが、この話は正しくないのではという説もあるのです。
なぜなら「血管に動脈と静脈があると発見されたのは17世紀に入ってからのことだから」というのがその理由です。

◆では、なぜ「赤」「青」「白」?
中世のヨーロッパでは一定の血液を体から抜くことが一つの健康法とされていました。
「瀉血(しゃけつ)」といわれ静脈を体の何か所も傷つけて、「悪い血」を体の外に出すことにより病気がよくなると信じていました。体が温まると血も出やすい為、瀉血・ひげそり・散髪等全て浴場で行われ、理容師は血についての知識も身につけ、理容外科医となっていったようです。

この血抜きをする時に痛いので一本の棒につかまらせていました。
この棒(Barber’s pole)は血が目立たないようにするために赤く塗られ、治療後洗った包帯はこの棒に干していたことから、赤と白のサインポールの原型ができたようです。
その後、1745年に外科医と理容師の完全分離し、外科医は赤・白。
理容は青を加え、外科医と区別されるようになりました。

今回は理美容のトリビア的なお話をピックアップしてみましたが、私も調べてみていろいろ面白い話があるものだなと改めて理美容業界の歴史の古さに気づかされました。
名前も知らない先人たちの技が今に引き継がれ、今の理美容業界があるのですね。
現代の私たちも先人たちに恥じぬように頑張らなければ!

下関の亀山八幡宮には「床屋発祥の地」の記念碑が建っています。
私もまだお目にかかったことはないのですが、近くに寄られた際には訪れてみてはいかがでしょうか。

全国理容生活衛生同業組合連合会のホームページに、面白いこぼれ話がたくさん載っています。
是非ご覧ください。
https://www.riyo.or.jp/index.html
(理美容事業部 加賀美 敦子)

(次回予告:総務課 秘書 山田尚子による「企業機密の漏洩について」)


≪建設業に最適な会計ソフト≫

2009.10.28 | 社員リレーコラム №17

第17回は、税務監査事業部 吉田 朋由による「建設業に最適な会計ソフト」をお届けいたします。

建設業に最適な会計ソフト、その名は「Daic2(ダイクツー)」。

〈1.建設業の特徴〉
◆建設業の特徴として、まず、打合せからスタートして、完成・引渡しに至るまでかなりの時間を要するということがあげられます。
◆短いものではその日のうちに終わるものもあるでしょうが、1カ月や2カ月、物によっては1年を超える場合もあります。
◆また、1件毎に場所、仕様等が異なり、それに使用する材料や工事内容が違ってくるという特徴があります。

〈2.特徴に起因して発生する会計的な問題〉
◆この建設業の特徴に起因して会計的な問題が発生します。
1件毎に使用する材料や工事内容が変わってくるということは、1件毎にかかった材料代や外注費などを区分して集計しなければならないということになります。
◆一定の期間に一つの工事だけを行っていたとしたならば、材料代も外注費もその一つの工事だけに対応するものなので、集計は難しいことはありません。
しかし、一般的には、複数の工事が同時進行で行われている場合が多いため、材料の仕入れや外注費がどの工事に対応するものなのかを区分、集計することは大変です。
◆しかしそれがなされていないと、その工事がいくら儲かっているのか、また、今期は黒字なのか赤字なのかということさえも分からないという状態になってしまいます。
◆そうならないために、現場別工事台帳を付ける必要があります。
現場別工事台帳は、工事現場毎に作成し、当該工事にかかった材料費、労務費、外注費その他経費を記入していき、その工事の原価を計算できるようにしなければなりません。
◆ただ、その全てを漏れなく記帳することはかなり困難です。そのため、建設業における税務調査では、期末仕掛工事の計上漏れがないか、精査されることになります。

〈3.建設業に最適な会計ソフト〉
◆このように特有の会計処理が必要な建設業に最適の会計ソフトがあります。
その名は「Daic2」(ダイクツー)。
財務会計と建設原価計算が連動しており、会計伝票を入力する際に工事情報を付け加えることにより、財務会計データと原価管理データが自動作成できます。
◆原価管理データの一例を紹介すると、現場別工事台帳はもちろん、工事粗利益順位表や、担当者別業績順位表、受注先別粗利益順位表等々が自動で作成されます。

〈4.「Daic2」を導入して〉
「Daic2」を導入していただいた企業において、次のような効果が現れました。
(1)工事毎の粗利が把握できるようになったことによって、粗利の低い工事の原因を採れるようになり、社長を初め社員の原価意識が格段に向上しました。
(2)それまで、売上に対応する原価が把握できていなかったため、決算して初めて当期の損益が分かるという状態だったのが、月次で損益を把握することが出来るようになったため、様々な打ち手を考えることができるようになりました。
(3)会計伝票を入力する際に工事情報を付け加えるだけで、財務会計データだけでなく、原価管理データも自動作成されるので、経理業務も合理化できました。
(4)それまで税務調査において仕掛工事計上漏れで修正申告をしていたのが、「Daic2」を導入してからは、申告是認が続いています。

〈5.最後に〉
◆全ての経営者は自社の売上や利益の増加を望んでおり、自社の発展を願っていらっしゃいます。
私たち監査担当者も関与先の発展を願っておりますが、正確なデータがなければ、何のご支援も出来ません。
◆建設業はその特徴により、損益が把握し難い面がありますが、「Daic2」を導入していただければ、当期における損益だけでなく、前期との比較や予算との比較、その差異の原因を容易に探ることが出来、一緒になって打ち手を考えることが出来るようになりますので、建設業を営まれている経営者の方は是非とも導入をご検討していただければと思います。
(税務監査事業部 吉田 朋由)

(次回予告:経営支援部 加賀美 敦子による「理容業の歴史」)


≪飲食店の接客(サービス)について≫

2009.10.21 | 社員リレーコラム №16

第16回は、税務監査事業部 林田 真弓による「飲食店の接客(サービス)について」をお届けいたします。

【飲食店を成功させるために必要な4大要素とは】
 1.クオリティ(商品)
 2.サービス(よい接客・サービス)
 3.クリンリネス(清潔な店内)
 4.アトモスフィア(快適で雰囲気の良い店舗)


 これらは、飲食店を成功させるために欠かせない要素だといわれています。
今回は「2.サービス(よい接客)」についてとりあげてみたいと思います。

◆多店舗の飲食店経営をしているお客様を担当するようになってからというもの、飲食店を利用していると単なる飲食目的だけではなく、飲食店経営という立場からついつい見てしまい、売上を上げるための接客について気になるようになりました。
これも、会計監査担当者ならではの職業病でしょう。

◆客の立場からすると、同じ飲食店を利用する時、あるいは他人に薦める時は、美味しい商品(料理)があるからということになりますが、反対に2度と同じ店に行かなくなるとか他人に絶対に薦めたくないのは接客(サービス)が悪い所です。つまり接客(サービス)は積極的に行く理由にはならないけれども、行かない理由には直結してしまうように思われます。

◆私がある居酒屋に行った時、エントランスの見える席に通されました。(早速、観察のはじまりです。)
店内には、店長と若くて外見がイマドキのアルバイトの男性と女性が数人いました。
スタッフはレジやお客様を迎えるエントランスを行き来する際、欠かさずテーブルの状況を見て空いた器を片付けたり、お客様の仕草(オーダーをしようとメニューを見ている姿)で「何かご注文はありますか?」とさりげなく声を掛けています。当たり前の事なのですが、それが出来ていないお店が多いのです。

◆私が一番感動したのは、エントランスでお客様の見送りをしていたアルバイトの女性の挨拶とおじぎが、本当に心の込もった気持ちの良いものだったことです。
ずっと笑顔で、接客の仕事を楽しんでいるように感じました。
美味しい料理を食べ、気持ちの良い接客を受け、そして最後に、その居酒屋へ行って良かったと思わせてくれるような気持ちの良い挨拶。
本当に良い時間を過ごせ、気持ちよく帰ることが出来ました。

◆接客で一番重要なのは、しっかりとアンテナを立てて「見る」ということ。
接客(サービス)を担当する一人一人がお客様の望むことをその場その場で考えて接していくこと。
ただ見ているだけではなく、テーブルの状況、お客様のしぐさ。オーダーをしようとしているとか、空いた器があるか、飲み物の状況。それを素早く察知して行動する。お店側は「お客様のことをちゃんと見ています」というアピールが出来ます。そのためにお客様から見える位置、お客様が見える位置に立つ事が重要です。
言い換えればお客様の目線に立つということです。
当たり前の事だと思っているでしょうが、もう一度、ご自分のお店の接客(サービス)を再確認してみては如何でしょうか。

(税務監査事業部 林田 真弓)

(次号予告:税務監査事業部 吉田 朋由による『建設業に最適な会計ソフト』)


≪活かすHP作りで集客、売上アップを!≫

2009.10.14 | 社員リレーコラム №15

第15回は、システム課 伊藤 美幸による「活かすHP作りで集客、売上アップを!」をお届けいたします。

◆リレーコラムの第2回“広告媒体の多様化”の中でもネット広告の増加について触れていましたが、インターネット広告は1996年に登場して以来堅調な伸びを続けています。

◆Windows95の発売以降、家庭用PCの普及、2001年頃からのADSLなど定額制ブロードバンドの家庭への普及により、ネットの利用者、利用時間が確実に増え、今やインターネット人口は9,000万に達し、ネット広告は日常的な存在となりました。

◆インターネットの普及は、主体的に情報を提供できるようになった企業と、積極的に情報を収集する消費者を生み出しており、ITを活用した広報・広告戦略は欠かせないものとなってきました。このような時代に自社のHPを持っていないということは、顧客獲得の大きな機会損失となってしまいます。会社にとって自分のHPとは、“24時間情報を提供し続けることが出来る貴社の最強の営業マン”となってくれるはずなのです。

ですが・・・

☆HP作成に当たっては
●ノウハウがない
●人手がない
●時間がない

☆作ってはみたものの
●効果が上がっているように思えない
●更新がままならない
●アクセス数が少ない
●検索エンジンに載らない

など、いろいろな問題や悩みを抱えてしまうケースも多いようです。

◆そして何より、この不況下で消費マインドが低下し広告も効きづらく、経費削減が叫ばれる中、何を言っているのだと思われる方も多いに違いありませんが、広告費を削減するという事は売り場を縮小してしまうのと変わらないのです。
新しい一手を打ちだすのは勇気のいることだと思います。

◆西川会計がなぜ関与先の方々にHPの活用をお薦めするのか・・・
それは、会計事務所だからです。
お客様の事を一番良く知っている会計事務所の担当者だからこそ、一体そこにどれだけ費用をかけられるのか、かけて良いのか、またはかけられないのかをコスト効率の適正な範囲で確保可能な数字をもってアドバイスさせて頂くことが出来ます。

◆去る8月21日に当事務所にて“HP活用セミナー”を行いました。
(講師:アイ・モバイル株式会社)
今回初めての試みですが、関与先の皆様にHPの重要性を改めて理解して頂き、費用対効果の高い有効な活用で顧客開拓、売上アップの一助となるべく少しでもお役に立つことができたらという思いから開催させて頂きました。
お客様それぞれのケースにあった対応が出来るよう少人数を対象としたものとさせて頂いております。

◆ご自身のHPに疑問や悩みがございましたら、どうぞ担当者までご相談ください。
またHPをお持ちでない方もぜひはじめの一歩を踏み出すお手伝いを私たちにさせて下さい。
苦しい時だからこそ、最大限の打てる手を尽くしましょう。
(システム課  伊藤 美幸)

(次号予告:税務監査事業部 林田 真弓による『飲食店の接客(サービス)について』)


≪農産物の原価計算≫

2009.10.07 | 社員リレーコラム №14

第14回は、第9監査課 柴 秀行による 『農産物の原価計算』 をお届けします。

【農産物の原価はどうやって計算するか?】
◆原価計算とは、広義では、製品やサービスの原価を計算するための方法のことを言います。
目的や製造方法により、その計算方法は異なりますが、いずれにしても経営管理のために行うのが原価計算です。どんな商売であっても発生するのが原価。
これをきちんと把握していなければ経営はしていけません。
今回は農業にスポットを当てて、原価計算を考えていきたいと思います。

◆農業は収穫までにとても時間がかかるため原価計算が難しそうに思えます。
しかし、生産に必要な資材や経費、労働時間を把握することで簡単に算出できるのです。
原価の内容としては
  材料費・・・種子種苗代、肥料代、農薬代
  労務費・・・作業する人の給料、法定福利費
  経費・・・地代、減価償却費、修繕費、動力光熱費  ...などです。
原価には種子代・肥料代・農薬代・労働費などの直接原価と、減価償却費・農機具の修繕費・地代などの間接原価があります。
この直接原価と間接原価を合わせたものが売上原価となります。

◆          ◆          ◆

◆では具体的に夏大根栽培を例に計算して見ましょう。
(ゼロから始め、一反(約300坪)の畑と仮定して計算してみます。)
夏大根は種まきから収穫まで約3ヶ月かかります。

●まず土地を借りる。
⇒地代5,000円(年間20,000円で3ヶ月換算)
●次に土作りとして、堆肥と元肥を撒き、耕運機で耕起(土を耕すこと)する。
⇒人件費4,800円(@800円×6時間)、堆肥代20,000円(市販のもの)、耕運機のレンタル代3,000円/日、肥料代20,000円
●播種(種をまくこと)する
⇒種代5,000円、人件費1,600円(@800円×2時間)
●雑草を取り、1回目の中耕(農作物の生育中に、その周囲の表土を浅く耕すこと)を行う。
また、追肥も行う。
⇒人件費9,600円(@800円×12時間)、肥料代10,000円
●間隔を置き、雑草とりと追肥を行う。
⇒人件費11,200円(@800円×14時間)、肥料代10,000円
●2回目の中耕を行う。
⇒人件費1,600円(@800円×2時間)
●収穫する。(畑から収穫し、洗浄・選別・箱詰め)
⇒人件費16,000円(@800円×20時間)、梱包資材25,340円
その他、法定福利費6,432円、軽トラックの減価償却費10,000円、収穫までに掛かる費用はここまで合わせて159,572円

◆          ◆          ◆

◆農水省発表の平成20年産夏野菜収穫量によると、夏大根の1反(10アール)当たりの収量は3,620kg。
大根一本当り1kgとして3,620本。原価は159,572円÷3,620本≒44.08円です。
これで、1本あたりの原価が算出できました。

◆このように、大根を栽培するのには意外と手間隙やコストが掛かります。
農業は機械化できる作業が限られるため、特に人件費が原価の多くを占めます。
また、大根などの根菜類よりも葉菜類や果菜類の野菜は、茎や葉の剪定や間引きなど、さらにこまめな手作業が必要です。

◆この後はいよいよ販売活動になりますが、また経費が発生します。
販売費や一般管理費です。収穫した夏大根の販売方法は
(1)市場に出荷する
(2)自分で販売する
(3)小売業者に販売する、

などがあります。

(2)の自分で販売する場合は手数料が掛かりませんが、(1)の市場は野菜の規格があり、収穫した野菜を全て販売することが難しく、また販売手数料が約8%掛かります。
(3)の小売業者の販売手数料は売値の約15%~25%です。
(3)の場合で1本100円の売値で原価と販売手数料を支払ったら1本当たりの利益は40.92円となります。(100円-44.08円-15円=40.92円)
収穫した野菜をすべて完売したとして、40.92円×3,620本≒148,130円。
3ヶ月間で大根を作って純利益は148,130円となりました。
多いと思いますか?少ないと思いますか?

◆また、農業には天候、病気や害虫などのリスクがあり、掛けた経費が無になることもあります。
農水省発表の「農家の所得の動向」によると、販売農家の農業所得は年間120万円(平成19年)、主業農家の農業所得は年間425万円(平成19年)となっており、年々減る傾向にあります。

◆日本の食料自給率は約40%と世界的に見ても低い国です。
この食料自給率についてはさまざまな意見がありますが、今私たちができることは農家の皆さんが手間隙かけて栽培した野菜を『感謝し、残さず食べること』だと思いませんか・・・。
(第9監査課 柴 秀行)

(次号予告:システム課 伊藤 美幸による 『活かすHP作りで集客・売上アップを図りましょう!』)


≪西川会計での歩み≫

2009.09.30 | 社員リレーコラム №13

第13回は、(有)東京経営情報センター 高橋孝代による『西川会計での歩み』と、【生命保険】【損害保険】の両面から見た≪最近のお客様の傾向・保険業界の動向≫についてお届けします。

◆まずは、私の西川会計での歩みを簡単にご紹介したいと思います。
入社したのは、平成6年2月でした。
パートの募集(社会保険、労働保険等の業務)で面接を受けた際に「パートではなく、あなた社員でいいわよ」と即断してくれたのですが、あまりの元気さに気後れしてしまいまして、「パートにしてください」とおもわず答えてしまいました。
なんともチグハグな受け答えをしてしまったものです。
その面接の相手が「エミちゃん」の愛称で呼ばれていた元気印の恵美子先生だったのです。
15年経った今でも鮮明に面接の時のことは覚えています。
その位インパクトが強かったのでしょうね。
そういう思いをしている社員は少なくないのではないでしょうか…。

◆入社後、網社会保険労務士のもとで2年間勉強させていただきました。
その後の配置転換で「生命保険・損害保険」業務に携わることになり、現在に至っています。
生命保険は、少しかじったことがある程度でしたし、損害保険にいたってはゼロからのスタートでした。

◆前任者から損保業務と経理をいきなり引継ぎ、その後も損保・生保の研修と試験の繰り返しで勉強、勉強の毎日。
なんとか知識は少しずつ増えてきたものの、何分経験がないものですから、失敗の連続でした。損保業務はパソコンで計算する今とは違って、料率表を片手に手計算でしたので「10円」に泣かされることもありました…。

◆ようやく慣れてきたと思ったら、皆様ご承知のとおり、生保・損保業界の再編につぐ再編で、なくなる保険会社は出てくるし、あっちとこっちが合併するなど、その度に業務は大混乱…ほんとに泣いたり笑ったりの13年間でした。
しかし、月日が経つのは早いもので、入社した時は小学生だった娘たちも、今では成人し、お年頃の年代となっています。

◆13年たった今でも、日々勉強の毎日です。
当社でのご契約がある・なしに係わらず、ご質問・ご相談等がございましたら遠慮なくお申し付けください。
この秋は、今一度、時代に合わせてお手元の保険の見直しを是非して下さい。

≪最近のお客様の傾向・保険業界の動向≫
【生命保険】
●日本人の平均余命が伸びているためか、「生きていくための保険」として医療保険、がん保険への個人加入が増加しています。
●日帰り手術が増加しています。
●入院治療・手術が短期間で退院する傾向です。
●高度先進医療を受けた場合の自己負担分を補う商品が各社から出ています。
【損害保険】
●火災保険が来年1月より改定となります。
●損保業界の再編がはじまっています。
●分かりにくかった建物の構造級別が簡素化されます。
●特約や割増引の廃止・簡素化されます。
その他、種々の改定が予定されています。
有限会社 東京経営情報センター 高橋孝代

(次号予告:第9監査課 柴 秀行による『農産物の減価償却』)


≪酒小売業の変化≫

2009.09.16 | 社員リレーコラム №12

第12回は、経営企画室 梅垣賢司による『酒小売業の変化』についてお届けします。

季節は秋になり、朝晩だいぶ涼しくなって参りました。
 リーマンショックから1年が経過しましたが、いまだその衝撃から立ち直れず、減少してしまった売上がなかなか戻らない状況であることを、監査で各社を訪問させていただくと感じます。
そのような中においても、経営者の皆さんが会社存続の為に奮闘されている姿を見て、私も何かご支援できることはないかと日々思っています。
今回は、外的環境の変化に対応していく酒類の小売業についてお話ししたいと思います。
酒類を販売している小売店は、販売免許の規制が無くなったことや、消費者ニーズの変化などから苦戦を強いられている状況が続いているのです。

◆          ◆          ◆

みなさんは、お酒をどういった店で購入なさっていますか?
今では町の酒屋さんだけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも購入することができます。
スーパーマーケットでは品揃えも豊富で、様々な商品の中から自分の好きな商品や新商品を選んで購入することができるようになりました。
コンビニエンスストアは24時間営業という便利さ、スーパーマーケットは豊富な品揃えというそれぞれの特色を持ち、酒類の販売量を伸ばしています。
特にスーパーマーケットは大量仕入れによる低価格化、さらに最近ではプライベートブランドの開発によってそのシェアを伸ばしていこうとしています。

ただ、酒類の販売そのものは全体として縮小傾向が続いており、販売業にとって厳しい状況が続いています。
ビール・発泡酒・第三のビールも今年の夏は銘柄によっては売上が伸びた物もあるようですが、全体的には販売量が低下しました。
その原因としては、不景気による支出控え、消費者の酒離れ、低価格商品の普及が考えられます。この厳しい状況で特に影響を受けているのは、以前は販売免許による規制により守られていた町の酒屋さんなのです。
酒類小売業免許に関する規制の緩和は以下のような流れで行なわれてきました。
平成10年3月  規制緩和3カ年計画が決定
平成13年1月  免許付与に関する距離基準廃止
平成15年9月  免許付与に関する人口基準廃止
平成18年9月  新規出店を抑制する調整地域が撤廃

この結果、酒類の販売は事実上自由化となり、スーパーマーケットやまったく酒類と関連のない業種も酒類の販売に参入できる競争の時代となりました。
町の酒屋さんはそれらの店と競争しなければならない時代となり、現在小売店のシェアは年々減少傾向となり厳しい状況になっています。
今後はスーパーマーケットを始めとした大型店が参入し、便利さ・販売力・価格競争力で勝るため、そのシェアを高めていくように思われます。

◆          ◆          ◆

種類の販売が縮小傾向にあるますが、酒類の分類別ではどうなっているかというと...
(1)清酒、焼酎
本格焼酎ブームといわれていたころ、焼酎の販売量が清酒の販売量を抜いていました。
今はだいぶ静かになってきたようですが、清酒や焼酎にこだわりを持っているファンは流行に踊ることなく、根強く存在し続けているようです。
(2)ワイン
ワインに含まれているポリフェノールが健康にいいということでワインブームになった平成9年に、販売量は大きく増え、その後も横ばいで推移しているようです。
(3)ビール、発泡酒、第三のビール
酒類の販売市場の中で大きな割合を占めているのがこの分類になります。
この中でも「ビール→発泡酒→第三のビール」へと低価格の商品へと需要の変化が見られます。
ビールは減少、発泡酒も第三のビールができてからは減少しています。
やはり節約傾向ということもあるのでしょうが、味の面でも第三のビールが改良や新商品の開発などで消費者にも納得されるものとなってきているのかもしれません。
つぎつぎと新しい商品が誕生し、どれにするか悩むほどですが、これも販売量を維持するには必要なことなのでしょう。反面、プレミアムビールのファンも依然として存在していますので、ビール系飲料はこの低価格志向と高級志向で進むのではないでしょうか。

◆          ◆          ◆

先にも述べましたが、コンビニエンスストアやスーパーマーケットが便利さや低価格で今後も酒の販売を展開してくることが予測されるため、町の酒屋さんにはますます厳しい状況が考えられます。
しかし、そんな状況の中、町の酒屋さんだって努力をしているのです。
例えば今までの知識を活かし日本酒に特化したお店、焼酎などの量り売り、関連して販売できる食料品の販売、配達といったことで顧客確保、売上維持を目指しています。日本酒・焼酎・ワインへのこだわりをもった消費者はまだまだ多いのではないかと考え、販売の仕方に工夫されているところもあります。
また、小売業だけではだめだと考え、飲食店を始めるところもあります。
いずれも今まで扱っている商品と関連づけた工夫をしているのです。

一つ一つは大きな取り組みではないかもしれませんが、これらの取組は立派な経営革新です。
売り方を変える、流通の仕方を変える、本業から派生する事業へと事業領域を広める。
酒屋さんに限らずどんな業種でも取り組めることではないかと思っています。
消費者のニーズに的確に対応し、酒類に関する知識を活かした情報提供・提案するなど酒の専門家としてコンビニエンスストアやスーパーマーケットにはない付加価値を提供することでこの競争に対抗し、荒波を乗り越える突破口を見出してほしいと思います。
がんばれ!町の酒屋さん!がんばれ!経営者のみなさん!
(経営企画室  梅垣 賢司)

(次号予告:東京経営情報センター 高橋 孝代による『損害保険あれこれ』)


≪宗教法人というのは何だろう???≫

2009.09.02 | 社員リレーコラム №11

第11回は、巡回訪問事業部 田村清美による『宗教法人というのは何だろう???』についてお届けします。

【神社、お寺のお賽銭、お布施はなんで税金がかからないの?】
なんて考えたことありませんか?
そんな疑問に少しでもお答えできたらと思い、このテーマを取り上げてみました。

【そもそも宗教法人とは???】
営利を目的としない会社組織にした宗教団体のことです。
ただし、公益法人の一つとして位置づけられていることから、下記のような公益事業を行うこともできます。
・幼稚園、専修学校、各種学校(学校教育法)
・図書館(図書館法)・博物館(博物館法)
・助産施設、保育所、児童厚生施設(児童福祉法)
・母子福祉施設(母子福祉法)
・老人福祉センター(老人福祉法)
・不動産貸付業
・その他(運動場、体育館、プール、各種研究所等)

これ以外にも、病院・診療所等の経営を行っている例があります。

宗教法人は営利を目的としないのが原則ですが、すべてが非営利かというとそういうわけではありません。
宗教と関係ない営利目的で行われている事業を行っている場合には、それは収益事業と呼ばれ、法人税が課税されることになるのです。
これには33の事業が限定列挙されています。
しかし、この事業を行っているからと言って課税されるのではなく、
1.継続して営まれており、
2.事業場を設けて営まれている、
という二つの要件をみたしている事業が収益事業になります。

◆             ◆             ◆

それでは、どんな事業が収益事業とされるのか、具体例でご紹介させていただきます
◆参拝客にお札、お守り、絵葉書、メダル、キーポルダー、ペナントを販売している
・お札、お守り、おみくじ等の販売のように、売価と仕入原価との関係から見て通常の物品販売業における売買利潤ではなく実質は喜捨金と認められる場合のその販売は、物品販売業に該当しません。 
・しかし、絵葉書、メダル、キーホルダー、ペナントは宗教法人以外の者が一般の物品販売業として販売できる性質を有する物なので、物品販売業に該当することになり課税される収益事業になります。

◆茶道、生花等の教室を開催している
・宗教法人が茶道教室、生花教室等を開設し茶道、生花等特定の技芸を教授する事業は、収益事業の「技芸教授業」に該当します。
又通信教育で実施していても収益事業に該当しますし、免許、卒業資格、段位、級、名取等の一定の資格や称号だけを付与するものも収益事業として認定されます。

◆駐車場の収入を得ている
・境内の一部を時間決め又は月ぎめ等で不特定多数又は多数のものに駐車場として提供する事業は、収益事業として認定されます。

◆結婚式を取り行っている
・宗教法人が神前結婚、仏前結婚等の挙式を行う行為で、本来の宗教活動の一部と認められる場合は収益事業には該当しません。
しかし、挙式後の披露宴における宴会場の席貸、飲食物の提供、衣装の貸付、記念撮影の又はこれらの行為の斡旋等は、収益事業に該当します。

◆墳墓地の貸付は収益事業になるのか?
・墳墓地の貸付は、収益事業には該当しません。
「永代使用料」として一定金額を一括で徴収する場合のものも含まれます。

◆宗教法人が所有する宿泊施設に信者を宿泊させた場合は?
・信者さんや参拝人を宿泊させて料金を受ける行為は、その宿泊料金をどのような名目で受け取っても、収益事業に該当します。
ただし、宗教活動に関連する宿泊で、その宿泊料の額が全ての利用者につき一泊1,000円(食事つきなら2食で1,500)以下についての経営は収益事業に該当しません。

◆             ◆             ◆

一般の人には縁がありながらも、よくわからない宗教法人のことが少しはお解りいただけましたでしょうか。
「坊主丸儲け」なんて言葉がありますが、実際にはそんなことはなくて、宗教事業以外で得た収入については、ちゃんと税金を払っているのです。
最近では、ペットの葬儀というのもありまして、収益事業に該当するか、そうでないかは、なかなか判断の迷うところとなっています。
(巡回訪問事業部 田村清美)

(次号予告:東京経営情報センター 高橋 孝代による『損害保険あれこれ』)


≪理美容業の税務調査≫

2009.08.26 | 社員リレーコラム №10

社員リレーコラムも、いよいよ10回目を迎えました。
今回は、税務監査事業部 上原一江子による『理美容業の税務調査』についてお届けします。

ある日突然「こんにちは」と連絡なしに税務調査はやって来ます。
現金商売の理美容室や飲食店などは、事前の通知もなく調査官がやってくることがあるのです。
これは、テレビのニュースなどでたまに目にする査察とは違います。
あくまでも任意調査なのですが、特別な理由がない限り、応対することになります。

ある日の税務調査のお話です。
今回も連絡なしで突然の訪問を受けました。
通常は、お店の開店と同時に調査官が来るものですが、今回の場合は、お店の定休日に社長の自宅にやってきたのです。

【税務調査1日目】
午前9時30分、自宅に調査官が現れました。
調査官から現状を見せてもらいたい旨の話があり、初めての調査なので何が何だかわからない社長は、調査官がお店も見たいというので、休日にも関わらず一緒にお店に行くことになりました。

<質問の内容>
1.1日の現金の流れの説明とレジの中を見る
2.昨日までの現金と帳簿の確認
3.ノートパソコンの使用状況
4.セミナー講師の実態(国内外での活動)と収入
5.個人通帳

調査官がお帰りになった後すぐに、社長より西川会計にご連絡を頂きました。
ここでお願いしたいのは、「税務署の方が見えたら、まずは、西川会計にお電話を下さい」ということです。
任意調査ですので、何の目的で、何の調査を行うのか?ということは電話でも確認ができます。
突然調査官がいらっしゃったら、「少々お待ち下さい。
顧問税理士に電話を入れさせて下さい。」と必ずお伝えしましょう。
顧問税理士立ち会いのもと、それから調査をスタートさせましょう。

【税務調査2日目】
1日目のヒアリングを基に、これからが調査の本番です。
(10:00~12:00)売上伝票のチェック
〇受付表と売上伝票(レジシートの連番を確認)
〇予約者名と伝票のチェック
〇新規顧客のチェック
〇担当者(スタイリスト)別(色ペン使用)
〇時間の配分別記入(お店の中にいる客数把握)

※事前に調査官がお客様として来ていて、その来店日を重点的に調査するなどということもあります。

(13:00~14:00)給与源泉台帳のチェック
〇年末調整還付金内訳明細
〇役員報酬についての給与台帳の確認

(14:00~15:00)総勘定元帳のチェック
〇設備造作の請求書(支店の出店があった)
〇美容器具の請求書
〇備品・消耗品の内訳
〇広告宣伝費の内訳
〇研究費の内容

(15:00~16:00)棚卸高のチェック
〇在庫商品とコンピューター管理している数字の確認
〇預かり在庫分についての確認

※ディーラーに預けてある在庫も、お店の在庫です。決算時にはどれだけ在庫があるのか証明書を出してもらうようにしましょう。

【税務調査三日目】
(10:00~11:30)
(1)棚卸高のチェック
〇棚卸高とコンピューター管理をしている数字の確認
〇預け在庫のある自社オリジナルシャンプー、トリートメント商品の在庫管理の流れの確認
(2)講師料収入のチェック
〇セミナーの状況確認…セミナーの年間予定表、会議等の予定を含めた明細をコピーし、持ち帰る。

お昼までで3日間の税務調査は終了いたしました。
調査を安心して乗り越えるためには、契約書・請求書などの証拠書類の保管をきちんとすることです。
【チェックポイント】
1.請求書等の保存をきちんとしましょう。
2.設備造作、リース契約、備品購入の際、請求書の保管は5年間です。
3.棚卸、在庫確認はディーラー、製造元への預け分を洩れなく計上しましょう。
4.カルテ、レジシートの保存は7年間です。予約ノートと売上伝票は合っていますか。


後日、調査官から「今回の調査において、特に問題となる事項はみつかりませんでしたので、これで調査を終了させていただきます。」と連絡がありました。
この会社が調査を無事に終わらせることができたのは、現金管理と日々の記帳にありました。
各店の店長さんたちが、毎日帳簿をつけ、売上金を預金に預けていたのが良かったのです。
現金商売の税務調査は、日々の現金管理がきちんとされているのを証明することが基本です。

【突然「こんにちは」】
これからの9月~12月は税務調査のシーズンです。
ある日突然、調査官がお店の前に立っているかもしれません。
そんな時でも慌てないで済むように、日頃から書類の整理、管理をしておきましょう。
ある日突然、調査官が来られた場合には、落ち着いて、「調査官のお名前を確認」し、西川会計へすぐにご連絡を下さい。

(税務監査事業部  上原一江子)


≪循環型社会の優等生「鉄スクラップ」の業績評価は難しい?≫

2009.08.19 | 社員リレーコラム №9

第9回は、経営支援事業部 原田 昇による『「鉄スクラップ」の業績評価』についてお届けします。

資源の乏しい日本では、生活から発生する廃棄物のほとんどは何らかの形で再利用されていました。
歴史上、奈良・平安時代の再生紙から始まり、古着・屑繊維その他の回収や再生が、きちんとした商売として成り立っていたのは江戸時代からと言われています。

鉄リサイクルの歴史も古く、明治時代から行われています。
古くなり錆びついた鉄でも何度も再生可能で、リサイクルの優等生と言われる所以です。
現在では全鉄製品の30%がリサイクルによるものであり、もし、リサイクルが行われていなければ、最終処分場はすでに一杯で、街は廃棄物の山になっているはずです。

「資源リサイクル・省エネ・環境保全」への関心の高まりと共に業界全体は伸びてきていますが、依然需要は好・不景気、外国の生産状況、外国為替レートに敏感に反応し、売買相場が大きく変動します。
売り先は特定業者に決まっている事から、大切なのは「仕入先の確保とストック(在庫)量」であり、回収品(仕入品)が高く売れる時に売るためにストックしたい「在庫の山を見ると安心する」傾向が業界の特徴と言えるかもしれません。

昨年秋以降の相場価格の下落から、採用する棚卸資産の評価方法により、会社の決算業績を正確に表現出来ない状況も生じています。
そこで中小企業における在庫(棚卸資産)の評価方法で主に採用されている最終仕入原価法について今回は考えてみようと思います。

◆             ◆             ◆

<最終仕入原価法>
最終仕入原価法は、棚卸資産を期末に最も近い時において取得した1単位当たりの取得価額をもって評価する方法です。
実務上、計算が容易であることや、税法上他の方法を選択して届け出ていない場合の法定評価方法となっていることから、中小企業において多く採用されています。
相場下落状況下においては、1年前に単価1,500円で調達した資材も、期末直前に調達した単価1,200円の資材とともに1,200円で評価することになり、1年前に調達した資材から300円実質評価損を計上することになります。

また、最終仕入原価法には、税法上、最終仕入原価法による原価法と、最終仕入原価法による原価法に基づく低価法があります。
前者は上記具体例と同様ですが、後者は期末直前に調達した1,200円と期末の時価1,000円とを比較した場合に、期末時価が低い場合には、1年前に単価1,500円で調達した資材を1,000円の評価額とする方法です。

業績が好調で取引価格や時価の上下が日常的に存在する棚卸資産には、評価減のメリットがあります。
その反面、業績不振時には評価減という更なる重荷を背負ってしまう事になります。
前述したように回収品(仕入品)が高く売れる時に売るためにストックしたいという「在庫の山を見ると安心する」業界なのでそのストック量は多く、単価の違いで損益に大きな違いが生じてしまうのです。

税法上の棚卸資産の評価方法には、個別法・先入先出法・後入先出法・総平均法・移動平均法・単純平均法・最終仕入原価法・売価還元法の8つのそれぞれに原価法と低価法が認められており、厳密には16通りの評価方法があります。
(変更には、適用しようとする事業年度開始の前日までに変更の届出が必要です)

それぞれにメリット・デメリットはありますが、現在の外部環境や自社の管理体制で著しく不合理な評価方法になっていないか、届出している方法と実際の方法にギャップがないか、今一度確認しみることが必要です。

◆             ◆             ◆

税理士法人 西川会計では、「関与先の黒字化支援」の一環から「利益計画と予算実績検討」に力を入れています。
相場が大きく変動し易い「再生資源回収業」は売上と原価の予測も当然難しく、担当者泣かせでもあります。
在庫(棚卸)の評価で業績が大きく変わる可能性が高い業界だからこそ、適正な評価方法を検討して、損益が大きく変わってしまう要素を排除して損益予測をしましょう。

(経営支援事業部 原田 昇)

(次号予告:税務監査事業部 上原 一江子による『理美容業の税務調査』)


≪これからのサロン経営!≫

2009.08.05 | 社員リレーコラム №8

第8回は、税務監査事業部 石井 直路による『これからのサロン経営』です。

これからの美容業界は大手美容室のFC(フランチャイズ)化による大型サロンの多店舗展開と小規模サロンの2種類の経営方法に2極化されるでしょう。
多店舗展開しているサロンはその特性を生かし経営面、価格面で勝負してくると思います。
一方、小規模サロンは利便性や技術力もありますが「お客様との信頼関係」が勝負のカギだと思います。

総務省「事業所・企業統計調査」により「美容業」の事業所数の推移をみますと、平成16年の調査では減少となっていますが、一時的なものとなっており、平成18年の調査では平成8年対比106.6%となっています。
平成16年と平成18年を規模別事業所数でみますと、1~4人のサロンでは平成16年の149,672事業所から平成18年の153,000事業所と3,328事業所も増加しているのに対して、5人以上のサロンでは平成16年の23,096事業所から平成18年の23,071事業所と25事業所減少しています。

小規模サロンは増加傾向にあり、大型店舗は減少傾向にあります。
これは大型店舗の経営が難しくなっていることをあらわしているのだと思います。
その要因は
◆新店舗出店場所が減少(出店したい場所に大きなテナントが無い)、
◆FC(フランチャイズ)で店舗を購入できるスタッフの不足(自己資金がない・融資を受けることが難しい等)、
◆それに伴う直営店経営での資金繰りの悪化、
◆美容学校卒業生減少によりスタッフの確保が難しい
等があげられます。
こうした状況下の中で考えますと、これからは小規模経営サロンが売上をどんどん伸ばしてくるのだと思います。
そのためにも小規模サロンは既存のお客様を繋ぎ止め、新規のお客様を開拓しなくてはなりません。

東京都生活衛生営業指導センターの「環境衛生業に係る消費生活調査」によると、サロン利用者の70%は行きつけのサロンがあり、固定客化の難しい20歳代の利用者でも50%が行きつけのサロンがあるようです。
固定化率の高い業種であることからも分かるように、新規のお客様を開拓することは難しいことですが、それでも新規で来店して下さったお客様をいかに満足させ繋ぎ止められるかが重要となります。

この傾向はお客様が求めるサロン像が、一昔前(ひとむかしまえ)のサロン経営に戻っているということではないでしょうか。
一昔前のサロンの先生(オーナー)は髪の毛のアドバイスはもとより、家族の相談、近所の情報交換等お客様のことを本気で心配してくれる身近な相談役(ちょっとお節介な)として常連客を作り、紹介・口コミによって
新規のお客様を増やしていったのだと思います。

私のお客様で、昨年1月にガンで他界されたC市にサロンを経営されていた先生がいらっしゃいました。
その先生は、お客様はもちろん、組合関係者、メーカー、ディーラー等、関係している全ての人々を大切にしていました。
私もお客様を10件以上紹介していただきました。
ご自分でも「西川会計の営業課長よ!」と言っていたくらい、サロン内ではお客様が経営者の奥様だと「よく相談に乗ってくれる良い会計事務所が東京にあるのよ」と声をかけていただき、組合の会合では「美容業に強い会計事務所があるんだけど一度会ってみない?」と声をかけていただきました。
そして感謝しなくてはいけないのは私の方なのに、「みんな喜んでいるわよ、ありがとう、また紹介するわね」といつも言ってくれていました。

ガンが発見されてから亡くなるまでの一年あまりの期間も、周りの人たちに感謝し、自分が周りの人たちに何ができるのかを常に考えて行動されていました。

そして亡くなってから半年ぐらいたった頃、後継者である息子さんにメーカーさんから電話があり、「注文いただいておりました商品がやっと完成されました」と連絡がきました。
なんと、抗ガン剤で髪の毛が抜けてしまった人のために、縫い目が肌に直接当たらない肌触りの良いニットの帽子を開発し注文をしていたのです。
その話をお聞きしたとき、私は感動し、先生に対する尊敬の気持でいっぱいになり、言葉が出てきませんでした。
本当に最後の最後まで人のために尽くすことを考えていらっしゃったのです。
私は生涯、先生から受けた御恩を忘れることはないと思います。
そして、私が先生に感じた気持と同じ気持ちの人たちが周りにたくさんいたから商売もうまくいっていたのではないかと思うのです。

このように、いろいろな関係者との信頼関係の中で商売をしていて、いつ来ても居心地の良いサロン、スタッフがこれからの美容業界に求められているのだと思います。
お客様、その他関係者との信頼関係を築くことができるスタッフが、自分のサロンに定着できる環境を整備することが、これから伸びていくサロンへの条件になっていくのではないでしょうか。
(担当:税務監査事業部  石井 直路)

(次号予告:経営支援事業部  原田 昇による『循環型社会の優等生「鉄スクラップ」の業績評価は難しい?』)


≪ある不動産会社の提案営業≫

2009.07.29 | 社員リレーコラム №7

第7回は、税務監査事業部 太田 吉子による『ある不動産会社の提案営業』です。

2009年、上場企業の倒産件数は18件、うち不動産業が9件(2009年6月5日現在)という不動産業界が苦戦している中、元気な会社があります。

その不動産会社は東京近郊の町で、親の代から続き、現社長(50代)は2代目になります。
親が不動産業を始めた昭和の時代は不動産の値段がうなぎのぼりに上がり、建売も売買の仲介もおもしろいように出来ました。

しかし、平成になりバブルがはじけると、売買物件の動きがなくなりました。
地元で事務所を開き信用を得ていたこともあり、以前からアパート、駐車場の管理を任されていましたが、このままでは管理しているアパートは老朽化し、取り壊されたり、相続で売られたりして、管理物件が減り、自分の会社がつぶれてしまう。
地主も土地を切り売りし財産が少なくなってしまう。
ではどうしたら良いかと考えた結果が提案営業だったのです。

ケース 1
住宅地の中で農業を続けている家があり、固定資産税を払うために土地を売らなければならない状況だった。
<提案>
土地を売却せずに有効活用できる方法はないかと考えました。
そこで農地を賃貸物件に転用することにしました。
借入をし、アパートを建て、空いた土地は駐車場としました。
その結果、賃貸収入で悠々生活できるようになったのです。

ケース 2
不動産所得の税金が高いという地主の相談を受けた。
<提案>
確定申告書をお借りして、当事務所に相談をいただきました。
現在の賃貸状況が、税務上事業的規模に該当することがわかり、奥様に専従者給与を出すことで、かなり節税になるということがわかりました。
その結果を地主さんに報告し、税金が下がって大変喜ばれたのです。
不動産会社と会計事務所が一体となってお客様から喜ばれたケースです。

ケース 3
将来的に相続税の負担が多くなることが予想された。
<提案>
子供たちに財産の承継をしていくために会社を設立し、会社が個人資産を買い取り、子供を役員にしていくなどのシミュレーションを行いました。
これも税理士や他の専門家と相談しながら提案したケースとなります。

「社長の言葉」
賃貸物件を建てるにあたっては、近隣の状況により、工場、倉庫、あるいはコンビニエンスストアが借りたいという需要があれば、それに合わせた建物の建築をお勧めしています。
10年間で貸室約300室、貸駐車場約1000台、貸工場、貸倉庫、コンビニ、保育園を建ててもらいました。全て満室です。
古くなった貸家、アパートのリフォームなどについても、多くの物件を扱った経験からこの場所にはこういう間取り、色がいい等提案できるのがわが社の強みです。
これからの不動産業は、提案営業ができなければ生き残っていくことができません。
ただし、その提案をお客様が受け入れてくれるかどうかは、お互いの信頼関係があるかどうかにかかってきます。
ですから、常日頃からお客様とコミュニケーションを取るようにしています。


不動産業界に限らず、どの業種においても、「お客様のために」というもう一つ踏み込んだアドバイスや提案が必要だと思います。
不景気を乗り越えるためのヒントを社長さんから教えていただきました。
(担当:税務監査事業部 太田 吉子)

(次号予告:税務監査事業部  石井 直路による 『美容業界の今後について』)


≪イベント業は人に喜びを与える仕事≫

2009.07.22 | 社員リレーコラム №6

第6回は、網社会保険労務士事務所  網 繁による『イベント業は人に喜びを与える仕事』です

イベント業というのは、いろいろな催し物や、歌謡ショー、演劇等の舞台、運動会、記念行事、結婚披露宴等人が集まる場所で、繰り広げられるエンターテイメントの裏方の仕事といっていいと思います。

昔のイベント業の経営で必要だったのは、有能な人脈と普段あまり使わないようなレンタル用の資材で、これを多く持っていないと他との競争には勝つことができませんでした。
バブルといわれた時代には、イベント業が謳歌して、イベントの専門学校ができたほどでしたが、その後の「失われた10年」で不景気の影響を受け、すっかりなりを潜めてしまいました。

また、ホームページの普及で地域密着型の「イベント屋」が減少し、たとえ距離が離れていても、クライアントの要望にすぐに答えてくれる「イベント屋」が繁盛する傾向にあるようです。
現在では、レンタル用品も自社所有とせず、レンタル業者と提携をして不必要な資材は抱えないやり方が圧倒的に多いと言われています。

◆イベントを仕切るのが、幹事さん。
演劇でいえば、「舞台監督」ですが、実際に仕切るのは経験を積んだイベントスタッフです。
このイベントスタッフとの連絡が悪いと、当日のイベントは台無しになります。
また、イベントの範囲もかなり広がっていますので、「イベント屋」もそれに対応するだけの研究をしなければならないようです。「イベント屋」で優秀なスタッフは、やはり「気配り」や「情熱」がどのくらい表現できるかにあります。
幹事さんや現場の責任者が神経質になっているところにいかに有効で的確なアドバイスをしてあげられるかによってその評価は決まります。
幹事さんや現場責任者は、素人の目で好き勝手なことをいうのが定説ですから、それを納得させるだけの説得力が要求されます。
中には、訳のわからないことを言って怒り出す幹事さんもいます。

◆最近、「アカデミー賞外国部門賞」を受賞した「おくりびと」は死人を御棺に納めるまでのケアを専門とする納棺士の物語ですが、ある意味で「納棺士」という仕事は立派な「イベント屋」であると思います。
主人公が、死人を大切に扱い、死出の旅路の前に、その準備をしながら、無言で死人に語りかける姿は、単なる作業ではなく「心のこもった所作」であり、見るものに感動を与えます。映画の中で、喪主は、納棺士に感謝の気持ちを伝えます。
どの仕事もおなじですがお客様が喜んでもらう仕事をした時に、無上の喜びを感じるはずです。
「おくりびと」の主人公は職業差別に悩みますが、人は人の為に尽くし、人によって喜びを与えられることには、差別は全く関係ありません。
「イベント業」は、人に喜びを与える立派な職業であるといえます。
(網社会保険労務士事務所  網 繁)

(次号予告:税務監査事業部  太田 吉子による 『ある不動産会社の提案営業』)


≪電話応対は会社の顔≫

2009.07.08 | 社員リレーコラム №5

第5回は、総務課 山田和枝による『電話応対は会社の顔』です。

初めての会社に訪問した場合、訪問者はどのような会社か、応対者の態度・姿勢、会社の雰囲気などの第一印象で判断すると思います。
また応対する側も、訪問者の態度・姿勢・身なりなどの第一印象で善し悪しを判断しているのではないでしょうか。

どちら側にとっても第一印象はとても大事なことですよね。
では、電話はどうでしょうか。
電話は特に相手の顔が見えないため、声や、その応対の仕方だけで、善し悪しの印象が決まってしまいます。
つまり、「電話は会社の顔」というわけです。

私は10年以上皆様からの電話を受け続けております。
私自身が実践できているかどうか自信は持てませんが、もう一度原点に返る意味も込めて、西川会計に伝わる電話応対マナーをご紹介させていただきます。

1.電話のコールは3回までに
3回以上だと掛けている側に10秒前後待たせている事になり「おまたせ感」を与えてしまうので「お待たせ致しました」と一言つけくわえる。

2.会社名を名のるときは、明るく、はきはきと名のる
明るく、はきはきとした返事で感じの良い印象を持ってもらう。
また、会社名を名のることで間違えていない事を確認する。

3.気持ちの良い挨拶
気持ちの良い挨拶で相手の方に安心感を持ってもらう。

4.姿勢、態度は相手に伝わる
何かしながら応対をしていると相手の方にも伝わるので、良い姿勢で応対する。
特にお昼休みは気が抜けやすいので要注意。

5.メモをとる
聞いたことは忘れやすいので電話を受けている間にメモをとり、復唱する。

それともう一つ大切なことは、その場で解決してあげようという気持を持つことです。
先日、お客様から嬉しいお声をいただきました。
「西川さんの社員は、担当者がいないときでも、なんとか解決しようと努力してくれる。
それが助かります。」というお言葉でした。
電話を受けている私たちにとって何よりのほめ言葉です。
お客様は用事があって電話をしてくるわけですから、たとえ担当者がいなくても、他の者で解決できるのであれば、その努力をするべきだと思っています。

「おはようございます!西川会計 山田でございます!」
これからも私たち総務が電話の応対をさせて頂きます。
担当者は出かけていることが多いので、皆様からのメッセージを確実に伝えるようにつとめてまいります。
お気づきのことがございましたら、是非監査担当者までお伝えください。
皆様からのお声が私どもの励みとなります。
(総務課 山田和枝)

(次号予告:網社会保険事務所  網 繁による 『イベントの裏側』)


≪試算表ができるまで≫

2009.07.01 | 社員リレーコラム №4

第4回は、システム課 大山千恵子による『試算表ができるまで』です。

「今日も一日、よろしくお願いします」の声で、3Fシステム課の業務が始まります。
まずは提出されたデータの受付です。
「あっ!」データというのは、顧問先の皆様が記入された帳簿や日記帳のことで、社内では監査担当者が監査した後のものをデータと呼んでいます。

受付が終了したら、一人目が科目コード・日付・金額などをすべて入力します(エントリ)。
その後、別の者がもう一度同じものを入力して、間違いがないか確認します(ヴェリファイ)
必ずひとつのデータについて、違う2人が入力するのです。

そして、集計。
日々の現金残などが、データと、入力したものと、一致しているかなどを確認します。

OK!であれば、いよいよ伝送です。
TKCシステムは、会計事務所からTKCセンターへオンラインでデータを伝送します。
そして、翌日に帳表が出力され配達されてくるのです。

ところが・・・これには時間に制限がありまして、翌日に出力されるには、17:00までに伝送をしなければなりません。
「どうしても明日、帳表が欲しいんだ~!」という時の17:00前の3Fはパニックです。
“エントリしてぇ~”  “ヴェリできる?”  “集計が合わないぞ!
“担当者いる?”  “あ~、もう5時になっちゃう~”  “……”
冬季の場合は、5時の“ゆうやけチャイム”が鳴り終わるまでがタイムリミット。
“ふ~~、間に合った~!”ホッと一息の瞬間です。
そして、今日も受付したすべてのデータ処理を終わらせることができたのです。

こうしてシステム課の一日は終わるのでした・・・

わたしたちがこのように日々入力をさせていただいた帳簿は、試算表となって皆様のもとに届けられています。
顧問先の皆様と直接お会いする機会は少ないですが、監査担当者と一緒に皆様を支援させていただいているという気持で一同取り組んでおります。

またシステム課では、TKCシステムのFX2・SX2・PX2に関する質問のエラーの対応も行なっています。
もし、操作方法などでわからないことがありましたらお気軽にシステム課までご連絡ください。
時間外などで連絡がつかないとき、「戦略経営者システムQ&A」をご利用ください。
基本的な操作方法などが掲載されております。どうぞ、ご活用ください。
事務所ホームページの、「お役立ちページ」からもリンクします。
【使用例】
・「TKC戦略経営者メニュー21」から「戦略経営者 システムQ&A」をクリック
・「FX2」「PX2」など、いずれかをクリック
・該当する項目、あるいは、「検索」に単語を入力して、クリック

これからもよろしくお願いいたします。
(システム課 大山千恵子)

(次号予告:総務課 山田 和枝による 『電話応対は会社の顔』)


≪だまされない住宅購入のチェックポイントと購入タイミング≫

2009.06.24 | 社員リレーコラム №3

第3回は、資産税事業部 利根川 秀次による『だまされない住宅購入のチェックポイントと購入タイミング』です。

【最近の住宅事情(不動産事情)】
極めて購入者に有利になっています。その後押しをしている第一は、地価の下落による住宅全般の低価額
及び業者の値下げ攻勢によるダンピング効果によるものです。
第二は、マイホームを取得しやすくしている税務上の優遇政策です。

(1)住宅資金500万円の贈与は非課税
現在緊急経済対策として政府が国会に提出している中の一つの法案です。
(H21年5月15日衆議院成立)
要件は、直系尊属(祖父母・父母)から20歳以上の子または孫への住宅資金の贈与です。
(2)相続時精算課税贈与
平成15年度から施行されている贈与制度で、要件は、父母から20歳以上の子への住宅資金の贈与で、3500万円まで課税されません。
ただし、相続時に加算適用が行われます。
住宅資金以外の贈与についても適用があります。
(3)住宅取得特別控除制度
一定の住宅を取得して自己の居住の用に供した場合、毎年一定額を所得税から減額することができます。
(平成21年取得の場合、最大10年間で500万円、優良住宅の場合600万円)

このような制度を利用するにしても、住宅を購入するということは、昔も今も大仕事です。
だまされたり思い込み違いが万が一にもあってはなりません。
そこで、今日は私の自宅購入の際に私がとった行動と注意ポイントを挙げ、これから住宅を購入しようとする方の参考にしてもらえればうれしいです。

★自己の希望にそった住宅取得とチェックポイント
(1)住宅(土地・建物)への自己の希望を第一条件5つ、第二条件5つと決めて、どこまでなら譲るのかの条件を決定する。
(2)住宅購入の際には、徹底した現場主義を貫き通す。最低3回は訪問する。
1回目 業者に案内してもらった時(自動車)
2回目 自分で別に日に駅から歩いて訪問(初回とは午前と午後くらいの時間差をつける)
3回目 雨の日に再度訪問する。

(3)気に入った物件、条件に合った物件に出会うまで、何回でも何ヶ月かかっても粘り強く探す。
(4)チェック項目
1.敷地関係(方位、間口、奥行、境界石確認)
2.道路関係(道路幅、形状、方位)
3.地形関係(高低差、崖地、よう壁、階段)
4.建物関係(越境、外壁、基礎の亀裂、傾斜)
5.環境関係(高圧線、電磁波、電柱、標識、振動、騒音、井戸、受水槽の埋設状況)
6.生活関係(浸水、臭気、事件事故、ゴミ置き場、近隣トラブル、幼稚園・学校位置、スーパー、銀行、商店街、動物飼育状況)
7.交通関係(付近駅、通勤経路、駅から徒歩何分、バス何分)
8.書類の確認関係(登記簿謄本、公図、測量図、平面図、私道の共有状況)
9.近隣の先住民の満足度と問題点等を聞き出す。
10.市役所等で当該場所の問題点等を確認する。(都市計画課)


一生に何度もあることではありませんので、慎重に、そして幸せなマイホームを手に入れてください。
グッドラック!!
(資産税事業部 土地建物取引主任者・CFP 利根川秀次)

(次号予告:システム課 大山 千恵子による 『試算表ができるまで』)


≪広告媒体の多様化について≫

2009.06.17 | 社員リレーコラム №2

第2回は、税務監査事業部 横山 裕子の「広告媒体の多様化について」です。

◆2008年広告費、5年ぶり前年割れ ネット広告は16%増
電通が2月に発表した2008年の日本の広告費調査によると、総額は前年比4.7%減の6兆6926億円で、5年ぶりに前年を下回りました。
ただそんな中でもネット広告は前年比16.3%増の6983億円となっており、年末以降景気減退の影響を受けて成長が鈍化しているものの、検索連動広告やモバイル広告を中心に拡大し、モバイル検索連動広告は前年の2倍に伸びています。
マスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)は4年連続前年割れで前年比7.6%減少。
一方衛星メディア関連は前年比12.1%増加という数値を見ても、今後は電波系媒体のテレビ・ラジオや印刷系媒体の新聞・雑誌に代わって、インターネットを中心とする多くの新しい媒体が成長し、広告媒体はますます多様化してゆくことでしょう。

◆多様化する広告媒体をどのように活用するか
さまざまな新しい媒体が増えているなか、不況下で貴重な広告予算をどのように使って売上増加を目指していけばよいか悩むところだと思います。
もともと中小企業には大手企業のように全広告量の半分を占めるマスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)を利用できる資金はありません。
だからこそローコストで利用できる「自社に合った媒体」を見つけ、効果を見ながら工夫する必要があります。
また業種によっては必ずしもニューメディアを利用することだけが良いとは限りません。
時にはお手製のチラシが抜群の反響をよぶことだってあり得ます。

◆広告媒体のいろいろ
比較的ローコストで利用できそうな、主要4媒体以外のSP(Sales Promotion=販売促進)広告の媒体を特徴によって分類してみましょう。
(1) 交通機関を使った交通広告
(2) 屋外のスペースを使った屋外広告、店舗を使った店舗系の媒体
(3) 映画館でのシネマ広告
(4) 家庭に送られてくる広告の媒体としては、
・DM(ダイレクトメール)や新聞の折込広告
・宅配ピザ屋さんなどがポストに入れるポストインなど
(5) その他
・フリーペーパー・フリーマガジン
・POP(店頭販促物)、電話帳、
・展示会、博覧会、PR館、
・広告用映画・ビデオなど

DMはこれまで郵便を利用していましたが、インターネットや携帯電話のメールを使うなど形態も変化しています。ネットや衛星メディアについてはさらに新しい活用方法が考案されて今後ますます身近なものとなりそうですし、薄型モニターを使った店内ポスターに代わる電子看板なども急激に増えそうな気配です。

中小企業の広告は地域密着・一点集中が原則
アイディアとチャレンジ次第で、打つ手は無限にあるのです。
貴重な資源を投下し、明日の売り上げを創る広告です。
自社や商品のことをわかり易く効果的に発信する為に、広告についてもっと研究してPR上手になりましょう。

ところで・・・
最近広告に関して、DMのひとつである低料第3種郵便の悪用問題がニュースとなっていますね。
利用する広告会社の質によってはかえって自社のイメージ悪化になりかねない場合もありますので、十分ご注意下さい。
(担当:税務監査事業部  横山 裕子)

(次号予告:資産税事業部 利根川 秀次による『だまされない住宅購入のチェックポイントと購入タイミング』)


≪YouTubeを活用して自社PR≫

2009.06.10 | 社員リレーコラム №1

第1回は、税務監査事業部 三橋 實の「YouTubeを活用して自社PR」です。

YouTubeとは米国カリフォルニアにある、YouTube社が運営するユーザーがアップロードした動画が公開されている動画のポータルサイトです。
動画の閲覧だけであればユーザー登録は不要、誰もがインターネット・ブラウザで見ることが出来ます。
当初は著作権等が問題となっていましたが、ユーザー独自のさまざまな動画が溢れるようになり、とても盛況のようです。
最近は一般個人が楽しむだけの動画から、企業の広告宣伝に活用する動画が増加してきています。今回はそのような事例をご紹介します。
YouTubeで「蕎麦打ち」という言葉で検索をするとたくさんの動画がヒットします。
その中に、日本蕎麦屋が蕎麦打ちの過程を紹介する動画がありました。
この動画は蕎麦屋のホームページのコンテンツとしての動画なのですが、独立してYouTubeの動画として鑑賞することができます。
つまり、楽しみながらも、蕎麦屋さんの蕎麦打ち技術の宣伝にもなっているのです。
ユーザー名をクリックするとユーザーのチャンネルに飛び、ユーザーのホームページにリンクしていることが多くみられます。
ホームページに飛んでみると、この動画はホームページのコンテンツであることがわかります。
従来、ホームページに動画を載せようとした時には、自社のサーバーに動画を置くか、契約しているプロバイダのサーバーに動画をアップしていましたが、容量、動画形式等に制限がありました。
しかし、YouTubeであれば1動画10分という制限はあるものの、本数に制限はなく、動画形式はアップ時に自動変換してくれます。
しかも、無料なのです。

YouTubeにアップされているPR動画の一例
<美容室>
美容室のスタッフが最寄り駅から美容室まで道案内をしている動画。
スタッフを紹介する動画。ヘッドスパを紹介している動画。
カットを実演している動画。
<英会話教室>
英会話教室の講師紹介ビデオ。英会話教室の授業風景のビデオ。
<その他>
演奏家派遣業のホームページの結婚式、イベント等での実演動画。
洋服のコーディネートの動画。
その他、製造過程を見せるもの、使い方を紹介するもの、動画カタログなど、さまざまな使い方が出来ます。
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結論
1.自社のホームページやブログで動画によるPRをする。
2.無料で動画配信ができる。YouTubeからホームページに誘導できる。
3.素人風が良い場合も多い。現場スタッフが撮影する。
4.現場の臨場感が重要。仕事の場を見せる。
5.自社の見せてこなかったこだわりを見せる。
6.家庭用ビデオで充分。
7.できれば動画を編集してタイトル、ホームページアドレス等文字を表示できればなお良い。

これを機会にブログ、ホームページでYouTube動画を利用してみてはいかがでしょうか。
(担当:税務監査事業部  三橋 實)

(次号予告:税務監査事業部 横山 裕子 による『広告媒体の多様化』)