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★「iDecoと新Nisa どっちがいいの?」
★「令和6年度 住宅ローン控除等の改正」
★iDecoと新Nisa どっちがいいの?
iDeCo(個人型確定拠出年金)と新NISA(少額投資非課税制度)は、個人が将来の資産形成や老後の生活のために利用できる投資制度です。共に国が推進している制度でありますが、どういった違いがあるか、どちらがお得かといった質問を最近はよく聞かれます。
【iDecoの特徴】
メリット…
・掛金が全額所得控除となり住民税・所得税を軽減しながら貯蓄ができます。
・運用は投資の性質を持つものもあり、掛け金以上に増える事も期待できます。
・払い出し時には退職所得控除という形を選択することで、受取時の税金を減らすことができます。
デメリット…
・原則として60歳になるまで一切の払い出しができません。
・企業型のiDeco(正確には企業型DCといいます)の場合、転職などを行った際に移管手続きが必要となります。
【新NISAの特徴】
メリット…
・掛金についての税優遇はありませんが運用益が非課税(元本含め1800万円の枠まで)となります。
・掛金を手軽に変更する事ができ、また払い出しも簡単に行えます。
デメリット…
・投資対象商品が多く選べる半面、選定に迷ってしまう事がありますあ。
・積み立て型ではない場合、投資のリスクは大きくなります。
まとめると、iDeCoは将来の老後資金の形成に特化した制度であり、NISAは一般的な投資商品に対する税制優遇措置を提供する投資制度です。どちらも将来の資産形成や老後の生活に役立つ制度であり明確にどちらかが優れているという事はありません。ただし一般的な貯蓄・投資より遥かにお得な制度であることは間違いありませんので、まだどちらも始められていない方はぜひどちらかにチャレンジされてみることをお薦めします。
★令和6年度 住宅ローン控除等の改正
①
住宅ローン減税
・借入限度額について、子育て世帯・若者夫婦世帯が令和6年に入居する場合には、一定の上乗せ措置を講ずることで令和4・5年入居の場合の水準(認定住宅:5,000万円、ZEH水準省エネ住宅:4,500万円、省エネ基準適合住宅:4,000万円)維持することになりました。
・新築住宅の床面積要件を40㎡以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分に限る)について建築確認の期限を令和6年12月31日(改正前:令和5年12月31日)に延長となりました
②
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
・受贈に係る適用期限が3年間(令和6年~8年)延長されます。
・非課税限度額が1,000万円に上乗せされる「良質な住宅」の要件について、新築住宅の省エネ性能要件をZEH水準(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)となりました。(令和5年12月31日にまでに建築確認を受けた住宅又は令和6年6月30日までに建築された住宅については、現行要件(断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)のままです)
③
既存住宅のリフォームに係る所得税の特別措置
・適用期限を2年間(令和6年~令和7年)延長になります。
・子育て世帯・若者夫婦世帯が子育てに対応した住宅への一定のリフォームを行う場合についても、本特例措置の対象に追加されます(適用期間:令和6年4月1日~令和6年12月31日)。
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★「国民健康保険料の産前産後期間の免除制度について」
★「中小企業でも検討したいサイバー保険」
★国民健康保険料の産前産後期間の免除制度について
2019年4月より国民年金第1号被保険者の産前産後の国民年金保険料が免除されていますが、
2024年1月1日より、女性の産前産後における国民健康保険料の負担免除制度もスタートしました。
これは、厚生労働省保険局より2023年5月19日交付の「前世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法の一部を改正する法律」において、
2024年1月1日からの施行が決められていたものです。
今までは国民健康保険に加入している方は、産前産後の保険料免除の制度はありませんでした。
ところが、働き方の多様化で自営業、フリーランスの方も増えている背景に加え、子育て世代の支援も必要なことから、
国民健康保険においても子育て世代の負担軽減、次世代育成支援を目的とした産前産後期間の保険料の免除が行われることになりました。
また、同種同業種の団体が運営している国保組合でも産前産後の国民健康保険料の免除措置が続々始まっています。 免除制度に関する主な内容は以下の通りです。
① 保険料は出産予定日(出産日)の前月(多胎妊娠は3か月前)から翌々月までの4か月間(多胎の場合は6か月間)免除されます。
② 所得割額と均等割額が対象になります。本人に対する所得制限はありません。適用は令和6年1月1日からです。
例えば令和5年11月に出産した方は令和6年1月のみの保険料、令和5年12月に出産した方は令和6年1月と2月の保険料が免除となります。
③
国民年金保険料については平成31年4月より産前産後期間の免除制度が施行されています。免除となる期間は健康保険と同様です。
★中小企業でも検討したいサイバー保険
サイバー保険は、サイバー攻撃や情報漏えいによって発生した損害に備える保険です。
近年、サイバー攻撃は年々増加の一途を辿っており、企業を取り巻く環境も大きく変化しています。
キャッシュレス決済の普及、AI・IoT・EC市場の進展、テレワークの浸透などによりサイバーリスクが高まっている一方、個人情報保護法の強化でサイバー事故への罰則も厳しくなってきました。
こうした中で万一サイバー攻撃を受けた場合、甚大な損害が発生する可能性があります。
個人情報が漏えいすれば、クレジットカード情報の不正利用や個人からの損害賠償請求、集団訴訟といったリスクがあり、1億円を超える損害が発生する事例もございます。
賠償責任に加え、事故原因調査費用、被害サーバの復旧費用、再発防止対策費用など様々な費用がかかってきます。
サイバー保険なら、このような賠償責任や費用を補償してくれます。
たとえば調査費用はPC1台あたり数十万から100万円を超えることもありますが、そういった費用が補償されます。
さらに利益補償や、専門事業者の紹介、無料コールセンターなどの支援サービスも受けられます。
セキュリティ対策を怠らず、その上でサイバー保険に加入することで、万一の事態に備えることができます。
特に中小企業はサイバー犯罪の標的になりやすく、これからの時代は必須と言えるでしょう。
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★「暦年課税制度・相続時精算課税制度の見直しがされました」
★「生命保険の請求時に困らないための準備」
★暦年課税制度・相続時精算課税制度の見直しがされました
暦年課税制度・相続時精算課税制度の見直しがされました。
★生命保険の請求時に困らないための準備
生命保険は私たちの大切な家族を守るために重要な手段です。しかし、時がたつにつれて加入内容を忘れてしまったり、また家族が内容を知らなかったりしていざ保険を請求する際に困るケースもあります。
保険の請求を行う際には、適切な準備が必要です。家族と内容を定期的に確認しておくことで、万が一の時にもスムーズに対応することができます。
① 保険証券は家族全員のものをまとめておく
加入時に発行される保険証券を個別に保管するのではなく、家族全員のものを一か所のフォルダなどにまとめておきましょう。
また、一覧表を作成するのもおすすめです。『保険会社』『保険会社の連絡先』『入っている保険の名称』『被保険者(保険にかかっている人)』だけでもリストにしておくと整理しやすいと思います。
②
保険会社のマイページを登録しておく
ほとんどの保険会社はPCやスマートフォンからマイページを登録する事ができます。加入内容を確認できるだけでなく、保険の種類によってはマイページから直接請求手続きを行うことも可能です。また保険会社によっては加入者のご家族も保険内容を確認できるサービスも始まっています。
③
年1回は内容を確認しておく
年に何度も見直す必要はありませんが、①や②の内容を年1回でも確認しておくことで、家族構成やご家庭の状況が変わったときも円滑に手続きを進めることができます。また更新型の保険を更新した場合、更新前の保険証券は捨ててしまっても大丈夫です。
2月や3月は確定申告のため『保険料控除証明書』をご準備された方も多いかと思いますので、ちょうど保険の加入内容を整理するにもよい時期かと思います。
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★「労働条件明示ルールの変更について」
★「個人事業主の強い味方!小規模企業共済」
★労働条件明示ルールの変更について
労働者の雇入れの際に労働条件を明示することは重要です。必ず明示しなければならない労働条件とは、
1. 契約期間
2. 有期労働契約を更新する場合の基準
3. 就業の場所・従事すべき業務
4. 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、就業時転換
5. 賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期、昇給
6. 退職に関する事項
・・・と多岐にわたります。
この明示の内容に関するルールについて、法律改正に伴い、令和6年4月より、下記の2点が大きく変更されることとなりました。
①すべての働く方に対して、労働契約締結及び有期労働契約の更新のタイミングで、雇入れ直後の就業場所・業務の内容に加え、
就業場所・業務の「変更の範囲」の明示が必要となりました。
例えば、雇入れ直後は赤羽営業所に配属となるが、その他にも支店があり、異動の可能性がある場合は下記のような記載が考えられます。
▶就業場所 (雇入れ直後)赤羽営業所 (変更の範囲)会社の定める営業所
また、労働者が自宅においてテレワークを行うことが通常予見されている場合は、下記のように記載するとよいでしょう。
▶就業場所 (雇入れ直後)赤羽営業所及び労働者の自宅 (変更の範囲)会社の定める営業所及び労働者の自宅
従事すべき業務についても、営業担当として採用したが、経理等他部門への配属が予見される場合には、下記のような記載が考えられます。
▶従事すべき業務 (雇入れ直後)法人営業 (変更の範囲)会社の定める業務
②有期労働契約で働く方に対して、有期労働契約の締結及び契約更新のタイミングごとに、更新上限の有無とその内容の明示すること。
また、「無期転換申込権」が発生する有期労働契約の更新のタイミングごとに無期転換を申込むことができる旨と、
無期転換後の労働条件を明示することが必要になりました。
有期労働契約を交わす際の更新上限について、現状のルールがどうなっているか改めて確認し、新設する場合には、
すでに働かれている方に対し理由を事前に説明したうえで、上限を明示する必要があります。
また、原則として同一の企業で通算5年を超えて働いている全ての有期労働者は、無期転換の申込権が発生します。
今一度、会社のルールを見直し、場合によっては就業規則の整備等を行うとよいでしょう。
★個人事業主の強い味方!小規模企業共済
小規模企業の経営者や役員、個人事業主の方は将来のための退職金をご自身で積み立てていく必要があります。
そのような目的で最初に検討したい制度が『小規模企業共済制度』(以下、小規模共済)です。
独立行政法人 中小企業基盤整備機構が運営しており、国が準備するセーフティネットとも言われ、銀行に貯金するよりも遥かに多くのメリットが御座います。
メリット①『掛金の全額が所得控除』
小規模共済は掛金の全額を『小規模企業共済等掛金控除』として、課税対象所得から控除することができます。
そのため所得税・住民税を軽減しながら確実にコツコツと積み立てることができます。
掛金は1000円から70,000円の範囲で、月払と年払をお選び頂けます。
メリット②『掛金はいつでも変更可能』
積み立てを同じ金額でいつまで続けられるか不安という方もいらっしゃるかと思いますが、小規模共済は掛金をいつでも500円単位で変更する事ができます。
少額で始めてだんだんと増額するなど、ご自身の状況に応じて柔軟に対応できます。
メリット③『受取時に退職所得を選択可能』
メリット①のように積立時にも税制面でのメリットがありながら、積み立てたお金を受け取るときにも『退職所得』を選択することにより、
退職所得控除の制度を使うことができます。
この他にも貸付制度や共同経営者も加入可能など様々なメリットがありますので、経営者・個人事業主の方はぜひご利用ください。
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★「雨漏りで家の保険は使えるの?」
★「外国人の雇用について」
★雨漏りで家の保険は使えるの?
お住まいのトラブルのうちの一つに『雨漏り』がありますが、これはお家の保険(火災保険)に入っていれば補償の対象となるのでしょうか。
実はこれは、雨漏りが発生した原因によって補償される場合とそうでない場合に分かれます。
まず、
・老朽化(建物自体の経年劣化)※防水加工のひび割れなども含む
・消耗(壁や屋根がすり減っていった)
・虫食い
等を原因とする雨漏りですが、これは保険適用となりません。
損害保険は『偶然』『突発』『外来(外からの衝撃)』の3要件を満たす必要がありますが、上記のような事由では該当しないためです。
ただし、突然の強風で屋根が壊れてしまったり、飛来物によって壁にひびが入り、その結果雨もりによる損害が発生した場合は支払対象になる可能性があります。
また今の時期は雪による建物の被害も想定されますが、積もった雪の重みで屋根が壊れたり歪んだりしてしまった場合も支払対象となる可能性があります。
ちなみに雨等による損害のうち、大雨での洪水による浸水などは『水災』の補償範囲となります。
建物が高台にある場合やマンションの高層階に住んでおり浸水のリスクが少ない場合は、商品によっては水災を補償の対象外にすることもできます。
その場合は保険料を下げることができますので、火災保険加入時には補償の範囲をよく検討する必要があります。
★外国人の雇用について
外国人の雇用について
様々な場所で、活躍が期待されている外国人労働者ですが、雇用する際には、日本人以上に注意が必要になります。
そこで、外国人雇用の注意点をいくつか説明します。
① 在留カードを確認してください。
一部除外となる方を除き中長期在留者に対しては、在留カードが交付されています。
この在留カードには様々な記載があり、在留期限が切れていないか、ということはもちろん、
「在留資格」「資格外活動許可の有無」「就労制限の有無」の記載があるので、雇用する際には必ず確認をする必要があります。
また、許可された範囲を超えて雇用した場合には、不法就労に該当し、不法就労と分かって雇用した事業所は「不法就労助長罪」に問われるので注意が必要です。
なお、退職する時にも在留期限内の在留カードの番号の記載が求められるので、常に新しい在留カードの提出を求めること、確認をすること、を心掛けてください。
② ハローワークに届出をしてください。
雇用保険に加入する場合は、雇用保険取得の手続きをすることで届出されたとみなされますが、雇用保険の取得の条件を満たさない労働者については、
別途「外国人雇用状況届出書」の提出をします。これは退職時についても同様です。
③ 労働条件や賃金、採用条件について、国籍によって差別することは禁止されています。
④ 労働保険・社会保険は、日本人労働者と同じ加入要件です。
「知らなかった」では済まされない外国人雇用の注意点ですが、ルールを守ればそう難しい事ではありません。
人手不足の解消、優秀な人材の確保を目指して、外国人雇用を考えてみてはいかがでしょうか。
詳細はこちらをご確認ください。